開発技術 - 12.システム開発技術 - 10.保守・廃棄

【目標】
・保守の基本的な考え方,タイプ及び形態,手順を理解し,担当する事項に適用する。
・廃棄の基本的な考え方,手順を理解し,担当する事項に適用する。

  1. 保守のタスク
    保守の目的やサービスレベルなどの保守を受ける側の要求,保守を提供する側の実現性や費用を考慮して,保守要件を決定する必要があることを理解する。また,保守では問題の発生,改善,機能拡張要求などへの対応として,既存システム又は既存ソフトウェアの安全性を維持しつつ修正や変更を行うことを理解する。
     【用語例】 
    保守手順,保守体制,保守の実現可能性,保守テスト,回帰テスト(リグレッションテスト), リバースエンジニアリング
  2. 廃棄のタスク
    廃棄では,運用及び保守の組織によって実施中の支援を終えるか,又は影響を受けるシステム若しくはソフトウェアを最終の状態にし,かつ,廃棄しても運用に支障のない状態にして,起動不能にしたり,解体したり,取り除いたりすることを理解する。
     【用語例】 
    組織の運用の完整性(integrity)
  3. 保守のタイプ及び形態
    保守をどのように実施するか,保守のタイプ及び形態,その際の留意事項,実施内容,方法の違いなどを理解する。
     【用語例】 
    保守契約,保守要件の定義,ハードウェア保守,日常点検,是正保守, 定期保守,予防保守,適応保守, 完全化保守, オンサイト保守,遠隔保守,ライフサイクルの評価
  4. 保守の手順
    a. 保守プロセス開始の準備
    保守業務開始のための準備を行うことを理解する。
     【用語例】 
    開発プロセスからの保守に必要な成果物の引継ぎ,計画及び手続きの作成, 問題管理手続きの確立, 保守のための文書作成
    b. 問題把握及び修正の分析 
    保守対象のシステム又はソフトウェアの問題や改善要求を解決する過程を理解する。
     【用語例】 
    問題報告又は修正依頼の分析,問題の再現又は検証,修正実施の選択肢の用意
    c. 修正の実施 
    修正部分が決まった後,修正を実施する過程を理解する。
     【用語例】 
    修正するシステム又はソフトウェや関連文書の決定,機能追加,性能改良,問題の是正
    d. 保守レビュー及び受入れ 
    修正されたシステム又はソフトウェアの動作確認や完了の承認を行うことを理解する。 
    e. 再発防止策の実施 
    問題の再発防止のため,特性要因分析などを実施することによって,根本原因の抽出,類似事故の発生の可能性を検討し,システム又はソフトウェアの改善やマニュアルなどの改訂を行うことを理解する。 
    f. 移行 
    システム移行又はソフトウェア移行の手順,システム又はソフトウェアの完全性の維持,業務への影響など移行の際の留意事項を理解する。
     【用語例】 
    移行計画の文書化と検証,関係者全員への移行計画などの通知,新旧環境の並行運用と旧環境の停止,関係者全員への移行の通知, 移行結果の検証,移行評価, 旧環境関連データの保持と安全性確保
  5. 廃棄
    システム又はソフトウェアの導入や更新などに伴い,不要となったシステム又はソフトウェアの廃棄の手順を理解する。
     【用語例】 
    廃棄計画の立案,廃棄計画などの利用者への通知,新旧環境の並行運用と利用者の教育訓練,関係者全員への廃棄の通知,廃棄関連データの保持とアクセス可能性の確保


   

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