マイコンという名称は、色々な定義がありますが、「組み込みシステムを制御するために中核となる半導体チップ」を総称してマイコンと呼びます。
組み込みの世界では、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)などの用語が使われます。マイクロコンピュータとも呼ばれる。
【 マルチチップ系マイコン 】
チップ内部にROMやRAMなどのメモリを持たず、アドレスバスとデータバスの端子が常時外に出ているタイプのマイコンです。ターゲット基板上に実装された比較的安価な外部 ROM/RAMでプログラムを動作させるため、メモリを大量に消費する大規模なアプリケーション向けに使われます。また、周辺装置とのやりとりを行うためのI/O(入出力)ポートがメイン基板とは別基板になっているシステムにマルチチップ系マイコンが使われます。代表的なものにx86(インテル)、 68K(フリースケール)、SH2/3/4(ルネサステクノロジ)などがあります。
【 シングルチップ系マイコン 】
ワンチップマイコンとも呼ばれます。チップ内部にROMやRAMなどのメモリ、I/Oポート、タイマや割り込みコントローラなどの周辺機能を内蔵したタイプのマイコンです。内蔵ROM(数Kbytes~数百Kbytes)内にプログラムが格納できる、比較的小規模なアプリケーション向けに使われます。また、マイコン内に周辺機能が内蔵されているため、各種I/Oが必要でコストを下げたい場合やシステム全体をコンパクトに仕上げたい場合に有効なマイコンです。
代表的なものにH8、SH1(ルネサステクノロジ)や8x51(インテル)、683xx(フリースケール)などがあります。
【 SoC 】(System on a Chip)
マイクロプロセッサ、チップセット、ビデオチップ、メモリーといった、装置やシステムの動作に必要な機能のすべてを、一つの半導体チップに集積したもの。実装に必要な面積が劇的に縮小し、同等の機能を持つ複数チップによるシステムと比べて消費電力も格段に抑えられる。
【 ASIC 】(Application Specific Integrated Circuit)
電子部品の種別の1つで、特定の用途向けに複数機能の回路を1つにまとめた集積回路の総称である。
デジタル回路が一般的であるが、アナログ回路を含んだりアナログ回路だけのASICもある。ASICは単機能ICと高性能演算用IC以外のほとんどすべての半導体製品を含んでいるため、多種多様なものが存在する。
ASICは単体の半導体である標準ロジックICや標準メモリーIC、回路設計を書き換えるプログラマブルロジックデバイスやFPGAなどと比べて以下の点で優れている。
以下の点が短所である。
ASICの用途は非常に多岐に渡り、一部の例を以下に示す。家庭用・産業用・事務用といった多様な電気製品に使用されている。
【 FPGA 】(Field Programmable Gate Array)
現場(Field)で、書き換え可能(programmableプログラマブル=プログラム可能な)、LSI(論理ゲート(Gate)が格子(Array)状に並んでいるセミカスタムLSI)という意味。
製品出荷後でも再設計が可能なため、製品のアップデートや新たなプロトコル規格への対応もスムーズに行うことができる。製造してしまうと中身が固定してしまう ASIC (Application Specific Integrated Circuit:特定アプリケーション用にカスタムメードで製造されるIC、カスタムIC)や、ASSP (Application Specific Standard Product:特定アプリケーション向けに機能を特化した標準・市販IC)にはない、FPGAならではの特長がある。
通信基地局、大規模ルータなど高度な処理を行う機器から、ディスプレイ(TV)、プロジェクタ、携帯端末など、生活に身近な製品にまで、幅広く 採用されている。
【 SiP 】(System In Package)
複数のLSIチップを1つのパッケージ内に封止した半導体製品。
従来の集積回路は、1つの半導体チップ上に必要とされる全ての機能(システム)を集積することを目標に微細加工化が進められてきた。この様なSoCでは、拡散プロセスが大幅に異なる機能、例えばCPUと大容量メモリ、高耐圧電源ICと低電圧CPU、などを組み合わせることも可能ではあるが、拡散プロセスが非常に複雑化し、製造工期の長期化を招くばかりではなく、高い製造歩留りを期待することが難しくなる。
SiPは、大幅に拡散プロセスが異なる機能は、個別に最適化された拡散プロセスで製造する。パッケージ上でそれぞれのチップを適切に配線することにより、より高度な機能を持った集積回路を、より安定した生産プロセスで製造することができる。
また、従来2パッケージに別れていたチップを1パッケージに封止する事により、実装面積を小さくすることが出来る為、携帯電話などの小型化を促進する目的にも利用されている。
【 リアルタイムOS 】
リアルタイム処理を目的としたOS。利用者の使い勝手よりデータ処理を優先している。制御機器に組み込まれている事が多い。
【 組み込みシステム 】
マイコンが組み込まれた組み込みシステムでは専用の組み込みOSが使われ、多くの機器では、リアルタイム制御の機能を持つものが多い。
リアルタイム制御を持つものは、リアルタイムOSとも呼ばれ、センサからの信号で(イベント)を受信し、その状況に応じて機器を制御する。
組み込みシステムでは、ファームウェアと呼ばれる、ハードウェアの基本的な制御を行う機能を持つソフトウェアが組み込まれている。
【 メモリプール管理機能 】
メモリプール機能はメモリブロックを動的に割付け・解放を行うための機能。
【 ロボティクス 】
ロボットの設計・製造・制御などに関する研究(ロボット工学) およびビジネスの現場におけるロボットの運用に関する研究のことを指します。
同義語として「ロボットテクノロジー(RT)」という言葉もあります。
【 BLE ビーコン 】
BLEビーコンとは低消費電力の近距離無線技術(Bluetooth Low Enaergy)を利用した、情報発信機器です。
半径数m〜100m前後の範囲内に、ID情報などを一定間隔で発信します。
BLEの電波をレシーバーで受信することで、人物や物の位置情報を知ることができます。
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