要件定義では、ユーザー、オーナー、システムアナリストなどの関係者(ステークホルダー)が、システム化要件に基づいて対象システムを調査、分析し、明確なシステム化目標、要件にまとめていくことになる。また、システム要件の評価、レビューを実施する。
ここでは細かなことではなく、どのようなシステムとするかの全体構想を記述する。新システムはどういう基盤技術を使いどのような仕組みを持つのか、それによりどのようにして目標を実現できるかなど、新システムの概要がわかるようにする。
基本要件と優先順位に沿って、今回のシステム化の対象範囲を定めます。概要でとどめておく場合は、何をやり何をやらないかを箇条書きで要件記述します。大切なのは、やることだけでなく、やらないこともきちんと記述する。
システム要件では、システム化目標、対象範囲、システムの機能および能力、業務、組織および利用者の要件、信頼性、安全性、セキュリティ、人間工学、インタフェース、操作および保守要件、システム構成要件、設計条件および適格性確認要件、開発環境、品質、コストと期待される効果、移行要件、妥当性確認要件、主要データベースの基本的な要件の定義などを定める。
システムの要件には、機能要件、非機能要件、ユーザビリティ要件という、大きく分けて3種類の要件がある。
機能要件は、システムに求められている機能である。
また、ユーザビリティ要件もシステムの使い勝手を定義するものであり、ユーザ・インタフェースのレイアウトに関する指針や、ユーザビリティを評価するための性能要件を定義する。
非機能要件は、機能性要件やユーザビリティ要件以外のシステムに対する要件ですが、以下のような要件がある。
【 セキュリティバイデザイン 】((Security by Design)
企画・設計段階から情報セキュリティ対策を施しておくことをいう。
システムに求められる性能や機能は、性能要件や機能要件として、システム機能仕様にまとめられる。
【 レスポンスタイム 】
レスポンスタイムとは、オンラインシステムのようなリアルタイムシステムで、ある端末からシステムに要求を出して、その要求の処理が返ってくるまでの時間を指します。
【 スループット 】
スループットとは、システムが一定の時間内に処理できるジョブ(仕事)の量のことです。スループットが高ければ、一定時間内に処理できるジョブの量が大きいといえます。マルチプログラミング(multiprogramming)やスプーリング(spooling)は、スループットを向上させるための方法の1つです。
システムを利用する組織や利用者に対して、システム化する業務の内容や処理手順を明確にする。
利用者や組織から出された要求事項を検討し、その内容を明確に定義する。
開発するシステムの構成をどのようにするかを決める。また、どのような実行環境で稼働させるかを決める。
開発したシステムが実際に機能を発揮する品質(品質要件)を示す基準(適格性要件)を定義する。
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