プロジェクトマネジメント - 14.プロジェクトマネジメント - 1.プロジェクトマネジメント - 1.プロジェクト,及びプロジェクトマネジメントの目的と考え方

Last Update : April 12 2018 09:41:17

     

a. プロジェクト,及びプロジェクトマネジメントの目的と考え方

目的
プロジェクトマネジメントは、コスト、スケジュールに加えて、スコープ(プロジェクトの対象範囲)、コミュニケーション、リスク、チームビルディング(プロジェクト・チームの編成)、品質など幅広い視点からプロジェクトを効率的にマネジメントしていこうという手法である。そして、本来のプロジェクトの目的を完遂することである。
プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトの要求事項を満足させるように、知識、スキルやツール、技法を応用したものである。

プロジェクトとは
プロジェクトとは、「目的や要求事項を達成するために一定期間だけ行われる臨時的活動」のこと。
組織が立てた戦略目標を達成するための手段である。

プロジェクトの特徴を示す。

  1. 明確な目的が存在する
    プロジェクトには、達成すべき明確な目的がある。
    目的がないプロジェクトなど存在しない。明確な目的を達成するためにプロジェクト・チームが組織されプロジェクトを遂行していく。これは当然と思われるかもしれないが、現実にはプロジェクトを遂行している関係者がプロジェクトの目的を十分理解していないことが多々ある。
    プロジェクトにおいては、目的と成果物とを分けて考える必要がある。ここで、「成果物」というのは、プロジェクトの遂行によって生み出されるサービスや製品などを指す。成果物は、プロジェクトの遂行中によく使用される言葉である。例えば、「今回のプロジェクトの成果物は新情報系システムである」といった使われ方をする。
    プロジェクトの目的と成果物を混同したり、目的があいまいのままプロジェクトの成果物だけを作り出すことに専念してしまうと、苦労してせっかく作り出した成果物であっても、役に立たないことになる。例えば、プロジェクトの途中で行う客先との定例会議で、客先から「考えていたものと違う」などと言われ、プロジェクトをやり直すことになってしまう。
    プロジェクトの途中で気づけば、まだよいほうである。プロジェクトの成果物が完全に出来上がってからでは大変なことになってしまう。このようにプロジェクトの目的をプロジェクト関係者が明確に理解しておくことは非常に重要である。

  2. 繰り返しではない1回限りの活動
    プロジェクトは、ルーチンワークのような繰り返しの仕事ではなく1回限りの仕事である。すなわち、毎月提出する報告書の作成や巡視業務、自動車工場の流れ作業などはプロジェクトとは呼ばない。プロジェクトは1回限りの活動であるから、始めと終わりが必ず存在する。つまり、プロジェクトの開始と終了時期を明確に規定できる。
    プロジェクトの開始が明確でないと、いつからプロジェクトが始まったのか、あるいはいつから始まるのかが不明確になってしまう。プロジェクトの終了が不明確だと、本当に終わったのかそうでないのかがあいまいになり、しまりのないプロジェクトになってしまう。
    プロジェクトでは、あいまいさはコストアップにすべてつながる。プロジェクトの終了があいまいで、プロジェクトチームの解散が適切な時期にできないと、経費や人件費の無駄遣いになってしまう。

  3. 時間・コスト・経営資源の制約がある
    プロジェクトには時間やコストなどの制限が通常存在する。そのため、プロジェクトを遂行して目的を達成するには、時間やコストなど制約の中で、所定の品質を確保した成果物を作り、プロジェクトの目的を達成する必要がある。いくらでも資金が使用できるとか、技術者を何人でも投入してよい、あるいは完成時期はいつでもかまわないなどというプロジェクトはまずないだろう。
    したがって、プロジェクトをうまく遂行するにあたっては、さまざまな制約の中でいかにバランスをとりながら目的を達成するかが重要になる。プロジェクトの責任者であるプロジェクトマネジャの腕の見せどころにもなる。

  4. さまざまな分野・部署の人たちが寄り集まっている
    短期間で成果を上げる必要があるため、専門的な知識を持った人や豊富な経験を持つ人たちを集めたグループになっている。そのため、日ごろから面識のある人たちのグループではないので、しっかりと目的意識を全員に周知しないとプロジェクトとしてうまく機能しなくなってしまう。

PMBOK
Project Management Body of Knowledge :(プロジェクトマネジメント知識体系 ) の略。
米国プロジェクトマネジメント協会(PMI)が取りまとめたプロジェクトマネジメントに関する知識体系。各種プロジェクトを実施する際のフレームワーク――すなわちプロジェクトを実施する際の基本的な考え方、手順をまとめたものである。事実上の国際標準になっている。

プロセスのタイプ
プロジェクトを動かしていくためのプロセスには以下の3つがある。それぞれが相互に関与する。

  • プロジェクトマネジメントプロセス
    プロジェクトの立ち上げから完了に至るまでの工程を管理する
  • 出荷プロセス
    プロジェクトからでる成果物を管理する
  • 支援プロセス
    プロジェクトで発生する作業を支援する

以下の9つのマネジメント項目と、それを統合的に管理する“統合マネジメント”の10の知識エリアで構成され、プロジェクトを統合的にマネジメントするためのガイドラインとして利用される。

  1. 統合マネジメント
    プロジェクトマネジメント全体をどのようにすればよいのかということ。
  2. プロジェクトスコープマネジメント (開発の目的とその範囲)
    プロジェクトの中で何を考える必要があるのか、プロジェクトの対象となっているものは何かを管理していくこと。
    各工程の作業の洗い出しと範囲の決定。
  3. プロジェクトタイムマネジメント
    各作業の内容・順序・期間などのスケジュール管理
  4. プロジェクトコストマネジメント
    予算を作成し、実績を管理する。資金面の管理
  5. プロジェクト品質マネジメント
    検討した品質を確保するための品質管理
  6. プロジェクト資源マネジメント(顧客、開発サイド含む)
    プロジェクトメンバーの要員の管理。
  7. プロジェクトコミュニケーションマネジメント (コミュニケーションの方法と適用シーンの決定)
    要員、プロジェクト・スポンサーなどプロジェクトのステークホルダー間のコミュニケーションを如何に円滑にするかというコミュニケーションの管理をすること。
  8. プロジェクトリスクマネジメント
    このプロジェクトを実施する際に、リスクとしては何があってそれをどう管理すべきか、ということ。リスク分析・リスク対応
  9. プロジェクト調達マネジメント
    購入や調達によって外部資源を取り入れ、それをどう管理していくかということ。
  10. ステークホルダマネジメント
    ステークホルダとプロジェクトの関係をどう管理していくかということ。

PMBOKの特徴は、これら10の項目を「統合(インテグレーション)」してマネジメントしながら、計画立案・実施していくことで、「各領域をきちんとやる」のではなく、バランスをとりながら、QCD(quality, cost, delivery)を保証することを指向している。事前にタイムスケジュールや品質において起こり得るリスクを認識し、何か問題が起こった際のコミュニケーションの方策や対処法などを事前に決めておくことで、トラブルを長引かせずに済むという。

スコープ
プロジェクト・スコープとは、そのプロジェクトの中で何をすべきか、プロジェクトの範囲を定義すること


b. プロジェクトマネジメントの五つのプロセス群

プロジェクトの開始から終了までの、各工程で発生する様々な作業を円滑に遂行するための管理手法である。
5個のプロセスグループがある。

  1. 立ち上げプロセス群(イニシャライズ)
    プロジェクトを定義して認可するプロセス、つまり、実際にプロセスがスタートするときのプロセスです。
  2. 計画プロセス群(プランニング)
    プロジェクトが立ち上がった後、実際にその中で何をどういう手順にやっていけばプロジェクトの目標が達成できるかということを考えるプロセス
  3. 実行プロセス群(エグゼキューティング)
    計画に従って作業を実行するプロセス
  4. 監視コントロール・プロセス群(コントロールとモニタリング)
    プロジェクトを実行している間に、計画したことと実態とがだんだんずれてきます。そこで何が違っているかを監視する必要があります。監視をしてその違いが発生したところで修正するプロセス。
  5. 終結プロセス群(クロージング)
    プロジェクトで作成した成果物がプロジェクト・スポンサーに正式に認められる、受け入れられることでプロセス

5つのプロセス群はプロジェクト全体のプロセスを表していると共に、プロジェクト・ライフサイクルを通して反復されます。

実際に一番必要なのは監視コントロール・プロセス群です。プロジェクトが予定通り動いているか、計画との差異があったとしたらどのように計画に近づけていくかということを考えることが一番PMBOKの中で重要な中身になります。


c. プロジェクト・ライフサイクル

プロジェクト・ライフサイクルとは、プロジェクトが進む全てのフェーズの集合体です。
各フェーズの終わりには特定の要素成果物があり、フェーズの終わりは次のフェーズの始まりとなります。
各フェーズの終了時にレビューを行い、そのまま前進するのか、是正が必要か、中断するべきかの判定を行い、承認を得て次のフェーズに移ります。
プロジェクト・ライフサイクルには、以下の共通的な特徴があります。

一般的に初期フェーズでは、リスクが高く、またステークホルダーの影響力も大きいのですが、プロジェクトが進むにつれてそれらは低下していきます。
逆に変更に対するコストがプロジェクトの後半にかけて高くなり、プロジェクトの完成確度も高くなります。
プロジェクトに必要なコストや要員は、中間フェーズで最も高くなります。

ステークホルダー
ステークホルダーとは、「利害関係者」を意味する。つまり、プロジェクトのステークホルダーとは、「プロジェクトによって影響を及ぼしたり、影響を受けたりする人や組織のこと」を指す。顧客(企業ないし担当者)、スポンサー(企業ないし担当部門や担当者)、プロジェクトマネジャ、プロジェクトチーム、といったように多くのステークホルダーがプロジェクトには存在する。



     

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