開発技術 - 12.システム開発技術 - 10.保守・廃棄 - 4.保守の手順

Last Update : April 12 2021 22:26:06

     

a. 保守プロセス開始の準備

保守するための準備として、開発プロセスから各種文書(成果物)の引き継ぎを行う。これらの作業では、文書リストなどを利用し、確実に引き継ぎが行われるようにする。
修正作業の具体的な手続きなどを決定し保守文書作成なども検討する。


b. 問題,要求の把握,修正分析

修正の分析や問題の再現又は検証をおこなって修正方法を決定する。
ここでは修正しようとしているシステムやデータ連携をしている他システムへの影響がどれくらいの範囲に及ぶかを把握することが重要。修正することが妥当かどうか、要員や予算が確保されているか、目的の修正作業が既存システムにどれだけの影響を及ぼすかを把握する。その上で課題を解決するための修正作業の選択肢をいくつか用意しておく。そして運用担当者やシステム担当者などを交えて、どの選択肢で解決するかを決定する。


c. 修正の実施

修正方法を決定し、修正作業を実行する。修正するソフトウェアや関連文書の決定を行う。
修正には、機能追加や性能改良、問題の是正などがある。
修正内容は文書に残し、修正前のソフトウェアや関連文書のバックアップを残すことも重要。


d. 保守レビュー及び受入れ

修正した部分のテストを行い、修正部分以外の関連する個所の回帰テストも行う。
問題がなければ、修正部分や修正文書のレビューを行い、完了の承認を行い、保守作業記録を残す。


e. 再発防止策の実施

修正や問題の原因を分析し、今後似たような問題が発生しないような対策を検討する。
複雑な問題の場合は、特性要因分析などを用いて分析する。

特性要因分析
原因と結果の因果関係から全体の特性を分析する手法。


f. 移行

保守の程度によっては、新しいシステムでの稼働を行わなければならない場合もある。そのためのシステム移行計画を作成し、移行スケジュールを検討し、利用者へ周知を行わなければならない。
また、一時的に新旧システムの並行運用が必要な場合もある。並行稼働させる場合には、データの重複が起こらないような対策も必要になる場合がある。
システムの移行結果の検証をしっかり行い、問題がなければ旧システムを停止する。



     

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