開発技術 - 12.システム開発技術 - 10.保守・廃棄 - 1.保守のタスク

Last Update : January 02 2021 16:00:33

     

a. 保守のタスク

導入したシステムであっても、ソフトウェアの改善・修正が必要になる。
一つは、テストでは見つからず、運用中に発見された不具合の修正。
もうひとつは、時間経過や環境変化によりソフトウェアを改変する必要がでてくる。
このような、システムの改善・修正を保守といい、システムを常に最善の状態にするためには必要な作業になる。
保守を行うためには、保守を受ける側と保守を提供する側が保守の内容や費用を考慮して(保守の実現可能性)、保守手順と保守体制を決める。
また、保守によりシステムの修正が発生した場合は、その修正や機能追加による影響で、今まで正常だった他の機能が動かなくなる場合もあるので、そういうことを防止するためにも、修正後に回帰テスト(リグレッションテスト)を行う必要がある。

ソフトウエア保守の業務内容はJIS規格(JIS X 0161)にまとめられている。JIS規格では、ソフトウエア保守の作業を四つに分けている。
(1)利用開始後、発生した問題を解決するために講じる「是正保守(corrective maintenance)」
(2)障害を引き起こす原因になり得る問題を見つけ出して直す「予防保守(preventive maintenance)」
(3)性能や保守性を向上させるためにソフトウエアを改良する「完全化保守(perfective maintenance)」
(4)利用環境の変化に合わせてソフトウエアを修整する「適応保守(adaptive maintenance)」
(5)是正保守実施までシステム運用を確保するための、計画外で行われる一時的な修正行う「緊急保守(emergency maintenance)」

 JIS規格では、(1)と(2)を「訂正」作業、(3)と(4)は、開発段階にはなかった新たな要件を満たすような「改良」作業であると分類している。


  [ 例題 ] 
  1. 平成14年度春期 問60  ソフトウェア保守


     

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