技術要素 - 9.データベース - 1.データベース方式 - 2.データベース管理システム

Last Update : January 02 2021 16:00:24

     

a. DBMS

データベース管理システムは、共有データとしてのデータベースを管理し、データに対するアクセス要求に応えるソフトウェア。データの形式や利用手順を標準化し、特定のアプリケーションソフトから独立させることができる。また、データの管理を専門のソフトウェアに任せることは、アプリケーションソフトの生産性や性能、資源の利用効率の向上につながる。管理するデータの表現形式(データモデル)によりいくつかの種類に分類でき、代表的なものにはカード型、リレーショナル型、オブジェクト型などがある。現在最も広く普及しているのはリレーショナル型(RDBMS)です。
データベース管理システムの機能には

  • データベース定義機能
  • データベース操作機能
  • データベース制御機能

がある。


b. データベース定義機能

データベースを定義するということは、すなわちスキーマを定義することです。スキーマを定義する機能は、データベース管理システムが提供します。データベース管理システムが提供するデータベース言語を使って、データベースの利用者がスキーマを定義をします。データベース言語としては、SQL(SQL-DDL)がよく使われます。


c. データベース操作機能

データベースの操作とは、データを登録(Create)、読み出し(Read)、更新(Update)、削除(Delete)することです。これらの頭文字を組み合わせてCRAD(クラッド)と呼びます。データベースの操作も、データベース管理システムが提供するデータベース言語(SQL-DML)を使います。利用者のプログラムが、データベース管理システムが提供するデータベース・エンジンに、データベース言語で記述された命令(クエリー)を送ることで、データベースを操作できます


d. データベース制御機能

データの信頼性を確保するために下のような機能がある。これらの機能はデータベース制御言語(DCL:Data Control Language)により操作される。

排他制御
排他制御とは、同時に複数の利用者がデータベースを操作する場合に、データベースの内容に矛盾を生じさせないようにする機能です。

  • ロック方式
    一つのプログラムがデータベースのデータにアクセスしている間は、他のプログラムは、そのデータにアクセスできないような仕組み。
  • セマフォ方式
    データベースに管理変数を設定し、この値により排他制御を行う方式

データ機密保護
不正なユーザがデータにアクセスできないようにする機能。

障害回復
障害復旧とは、データベースの内容に論理的な矛盾が生じてしまった場合や、データベースが物理的に損傷してしまった場合に、データベースの内容を障害発生前の状態に戻すことです。

保全機能
不正なデータを登録したり、更新したりされないよう、データの信頼性を確保するための機能。

セキュリティ
データベースのセキュリティ管理には、ユーザごとのデータへのアクセスを制限するために、パスワードの設定、アクセス権の設定、データ・ファイルの暗号化、およびログの記録があります。

バックアップ機能
データが壊れた時、元に戻すためにデータの複製を保存しておく機能。


e. データベース管理者(DBA)

DBA の役割
次に、DBA が果さなければならない役割の一覧表を示します。

  1. 設計
    ・標準のデータ定義
    ・物理データベース
    ・セキュリティ、プライバシー、およびリカバリ手順
    ・サポートソフトウェア(DBMS パッケージにないとき)
  2. 選択
    ・データベース管理システム
    ・パフォーマンス測定ツール
    ・チューニングエイド
  3. 予測
    ・トランザクション量の変化や新規アプリケーションの効果
  4. 決定
    ・検索方法
    ・アクセスメソッド
    ・データベース設計
    ・レコード間の関係
    ・データベース使用規則
  5. 教育
    ・データベース技術についてアナリストやプログラマの教育
    ・データベースの操作手順についてオペレータの教育
  6. 周知徹底
    ・設計、ドキュメンテーションなどに対する標準
    ・品質管理
    ・アクセス
  7. 組織編成/管理
    ・データディクショナリの作成と維持
    ・ファイルの変換
    ・完全性、セキュリティ、およびリカバリのベンチマークテスト
    ・受け入れテスト
    ・ユーザーへの変更点についての伝達
  8. 計測
    ・ハードウェアのパフォーマンス
    ・ソフトウェアのパフォーマンス
    ・データベース使用統計
  9. チューニング
    ・システムパフォーマンス

f. データベースを利用するメリット

データベースとは、データを個々のアプリケーションから切り離して、一元管理したもの

  1. 独立性の確保
    ・データがアプリケーションに依存しない。汎用性が高くなる。
    ・アプリケーションの変更や修正がデータに影響しにくい。
  2. 重複データの排除
    ・似たようなデータをアプリケーションごとに作成しなくてもよい。
    ・データの矛盾が起こりにくい。
  3. データの機密保持
    ・データベースでアクセス権を管理しているので、不要なデータアクセスが防げる。
    ・データアクセスはDBMSの仕組みを利用するのでアプリケーションが簡単になる。
  4. データの標準化
    ・共通で利用することを考慮するのでデータの標準化の意識が高まる。

  [ 例題 ] 
  1. 平成20年度秋期 問62  データベース管理
  2. 平成17年度春期 問63  データベース管理


     

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