Last Update : January 02 2021 16:00:51
a. 著作権法
著作権には、著作者の人格を保護する著作者人格権と著作物を財産として認める著作財産権がある。著作権は、創作した時点で始まり、著作者の死後50年まで保護される。ただし法人の場合は公表後50年間。
著作者人格権 (譲渡不可) | 公表権、氏名表示権、同一性保持権で構成される。 著作者だけに帰属する権利 |
著作財産権 (譲渡可) | 複製権、公衆放送権、頒布権、譲渡権、貸与権がある。譲渡や相続の対象となり、死後50年まで保護される。(法人格の場合は、公表後50年間) |
1. 著作者人格権
- 公表権
自分の著作物で、まだ公表されていないものを公表するかしないか、するとすれば、いつ、どのような方法で公表するかを決めることができる権利
- 氏名表示権
自分の著作物を公表するときに、著作者名を表示するかしないか、するとすれば、実名か変名かを決めることができる権利
- 同一性保持権
自分の著作物の内容又は題号を自分の意に反して勝手に改変されない権利
2. 著作者財産権
- 複製権
著作物を印刷、写真、複写、録音、録画などの方法によって有形的に再製する権利
- 公衆送信権
著作物を自動公衆送信したり、放送したり、有線放送したり、また、それらの公衆送信された著作物を受信装置を使って公に伝達する権利
*自動公衆送信とは、サーバーなどに蓄積された情報を公衆からのアクセスにより自動的に送信することをいい、また、そのサーバーに蓄積された段階を送信可能化という。
- 頒布権
映画の著作物の複製物を頒布(販売・貸与など)する権利
- 譲渡権
映画以外の著作物の原作品又は複製物を公衆へ譲渡する権利
- 貸与権
映画以外の著作物の複製物を公衆へ貸与する権利
- 二次著作物の利用に関する原著作者の権利
自分の著作物を原作品とする二次的著作物を利用(上記の各権利に係る行為)することについて、二次的著作物の著作権者が持つものと同じ権利
- 上演権・演奏権
著作物を公に上演したり、演奏したりする権利
- 上映権
著作物を公に上映する権利
- 口述権
著作物を朗読などの方法により口頭で公に伝える権利
- 展示権
美術の著作物と未発行の写真著作物の原作品を公に展示する権利
- 翻訳権・翻案権など
著作物を翻訳、編曲、変形、翻案等する権利(二次的著作物を創作することに及ぶ権利)
b. 職務著作
著作権は通常、著作物を創作した個人に与えられるが、法人等が企画した著作物を法人の業務に従事するものが職務上作成し、法人等の名前で公表する場合は、著作権は法人に与えられる。
職務上作成したプログラムも公表の有無にかかわらず、原則として法人に著作権がある。
c. 著作権の制限
著作権は、特定の条件では制限され、著作者の許可なく著作物を利用できる。
- 私的使用のための複製
個人や家庭内などで私的に使用する目的で著作物を複製する場合。
- 図書館における複製
公共図書館や学校図書館などの法律で定められた図書館で複製する場合。
- 学校その他の教育機関における複製等
学校その他の教育機関の授業の過程で、教員や生徒が使用する場合に、必要と認められる限度において、著作物を複製する場合。
ただし、問題集のコピーなどその用途から考えて著作者の利益を不当に害する場合はこの限りではない。
- 試験問題としての複製
入学試験などの試験や検定の目的上必要と認められる限度において、著作物を問題として複製する場合。
ただし、営利を目的とした試験等で利用する場合は著作者に補償金を払う必要がある。
d. ソフトウェア開発の著作権
情報システム関連で著作権が認められているのは、ソースプログラム、目的プログラム、データベース、マニュアルなどの表現。
プログラム言語、アルゴリズム、プロトコル(規約)などは表現でないため保護の対象外。
ソフトウェアは、著作権法により守られ、プログラムのコード化された表現や、その作成過程で作られたドキュメント類は著作権の保護対象となります。同時にそのプログラムを使って作成されたデータにも著作権が発生します。ただし、プログラムのアイディアやアルゴリズムは保護されず、会社業務として作成されたプログラムやデータの著作権は会社が持つことになります。ソフトウェアを著作権者の許可を得ないでコピーすることは禁止されています。ただし、ソフトウェアの使用権利を受ける際、バックアップのみ許可されている場合は、限られた範囲のみコピーすることが可能です。
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