企業は、商品やサービスを売り上げ、その売り上げを上げるために必要な費用を差し引いた分を利益として追及していく企業活動を行っている。
売上 - 費用 = 利益
【 費用 】
費用 = 変動費 + 固定費
売上高 - ( 変動費 + 固定費 ) = 利益
売上高に対する変動費の割合を変動費率という。
変動費率 = 変動費 ÷ 売上高
売上から変動費を差し引いた数字を限界利益という。
限界利益 = 売上高 - 変動費
売上が利益に貢献する割合のこと。限界利益率ともいう。
貢献利益率 = 限界利益 ÷ 売上高
貢献利益率 = (売上高 - 変動費) ÷ 売上高
貢献利益率 = 売上高 ÷ 売上高 - 変動費 ÷ 売上高
貢献利益率 = 1 - 変動費率
【 損益分岐点 】
固定費、変動費、売上、利益の関係を表したものを損益分岐点図表という。
利益が 0 の点を損益分岐点という。損益分岐点では、費用と売り上げが等しくなっている。
利益が 0 の時の変動費・売上高を使う。(固定費は一定)
損益分岐点売上高 = 変動費 + 固定費
損益分岐点売上高 = ( 売上高 × 変動費率 ) + 固定費
損益分岐点売上高 = 固定費 / ( 1 - 変動費率 )
損益分岐点売上高 = 固定費 / ( 1 - ( 変動費 / 売上高 ) )
【 機会損失 】
需要見込みを誤ったため、製品在庫がなくなって、製品を供給できなくなると、売り上げが減少する。本来、製品があれば、計上できた可能性の利益を失うことを機会損失という。
機会損失は、費用という考え方もあり、機会費用と呼ばれることもある。
企業活動において、商売の取引が発生するごとに、その情報を記録する。企業会計において、日々の取引の記録は仕訳であり、仕訳帳に記録される。
仕訳帳のデータは加工され、総勘定元帳に転記される。会計期間が終了すると決算を行い、決算書類を作成する。
【 仕訳帳 】
仕訳とは、日々の取引をフローの観点から個別に帳簿(仕訳帳)に記載していく作業。会計の基本作業。
取引の原因と結果を分析し、借方と貸方に分けて、帳簿に記録すること。
借方には借方要素(資産の増加、負債の減少、資本の減少、収益の減少、費用の発生)が記入され、貸方には貸方要素(資産の減少、負債の増加、資本の増加、収益の発生、費用の減少)が記入される。
【 総勘定元帳 】
勘定科目ごとに全ての取引を記載する勘定口座を集めた会計帳簿である。単に元帳とも呼ぶ。仕訳帳とともに主要簿を構成する。総勘定元帳には仕訳帳からすべての取引が転記され、期末には、総勘定元帳から、貸借対照表、損益計算書が作成される。
【 国際財務報告基準 】(IFRS: International Financial Reporting Standards)
国際的に適用される高品質で単一の会計基準を目標として、国際会計基準審議会(International Accounting Standards Board、IASB)等により設定される会計基準の総称です。
【 のれん 】
日本の現行の会計基準では、M&Aにおける取得価額と買収した会社の貸借対照表(BS)の時価純資産との差額を「のれん」といい、買い手の貸借対照表に無形固定資産として資産計上します。計上された「のれん」は、20年以内に均等償却されます。
IFRSでは、取得価額と買収した会社の貸借対照表の時価純資産との差額、いわゆる日本の会計基準でいう「のれん」を、さらに顧客名簿、ブランド価値、フランチャイズ契約、ソフトウェアなどの無形資産に配分し、最後に残った部分を『のれん』とします。IFRSでは「のれん」を償却しません。
決算の目的は、会計期間における企業としての損益を計算し、財産状況を明らかにすること。また、複数の会社からなる企業グループの場合は、グループの個々の決算をおこない、グループ全体の連結決算を行う。
決算の手順としては、総勘定元帳をまとめ、決算整理仕訳(修正仕訳)を行い、財務諸表を作成する。まず、決算の呼び手続きとして試算表や棚卸表を作成し、試算表は総勘定元帳への転記と計算が正しく行われたか確認するため、集計表を作成する。
次に決算本手続きとして決算振替仕訳を行い、生産表を作成し、それぞれの財務諸表を作成する。
【 試算表 】
試算表とは、一般に財務会計において決算時に取りまとめる残高試算表のこと。
すべての勘定科目について、損益計算書と貸借対照表の区別なく貸借に並べてみる表。
決算整理仕訳を行う前の段階のものを決算整理前残高試算表と呼び、事後のものを決算整理後残高試算表と呼ぶ。
損益計算書及び貸借対照表を作成する際のインプットとなる。
【 精算表 】
精算表とは、「決算整理前の残高試算表」に「決算整理仕訳」を加え、 損益計算書と貸借対照表を作成するまでの過程を一つの表にしたものです。
残高試算表に表示されている資産、負債、資本、収益、費用から損益計算書欄と貸借対照表欄を分離し、試算表欄とともに一覧表にした表である。
精算表には6桁精算表、8桁精算表、10桁精算表がある。
6桁精算表・・・試算表・損益計算書・貸借対照表の借方・貸方の額を並べたもの
8桁精算表・・・6桁精算表に整理記入欄(修正記入欄)の借方・貸方を追加したもの
10桁精算表・・・8桁精算表に整理(修正)後残高試算表欄を追加したもの。
【 決算短信 】
株式を上場している企業が、証券取引所の適時開示ルールに則り決算発表時に作成・提出する、投資家や証券取引所に対して発表する共通形式の決算速報である。
決算短信は証券取引所の自主規制に基づく開示であるのに対し、決算公告は会社法の、有価証券報告書は金融商品取引法の法定開示である。
【 貸借対照表 】(B/S)
ある時点での会社の財政状態を明らかにするもので、資本の調達源を表す負債、資本と資本の運用を表す資産の3区分からなっています。
資産には、
があります。
負債には、
があります。
資本には、
があります。
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また、貸借対照表では 「資産-負債=資本」という計算になるので、右側と左側は常に一致します。
【 損益計算書 】(P/L)
営業年度における企業の収益、費用、利益を計算したもの。
以下のような項目がある。
【 製造にかかわる原価 】
【 キャッシュフロー計算書 】(C/F)
キャッシュフロー計算書とは企業の一定の期間における、実際の現金、預金の流れすなわちキャッシュフローを表すもの。
収益-費用=利益(ルールにより計算)
収入-支出=キャッシュフロー(事実)
キャッシュフロー計算書では利益の段階に応じて次ぎの3つのキャッシュフローに分けられます。
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