企業と法務 - 22.企業活動 - 2.OR・IE - 5.IE ( Industrial Engineering :経営工学 ) 分析手法

Last Update : January 02 2021 16:00:51

     

a. IE ( Industrial Engineering :経営工学)分析手法

IE分析手法は、作業を調査・分析すること(作業分析)で効率的な作業手順を研究し、これをもとに全体の作業効率を上げるための手法。
標準時間とは「その仕事に対して要求される特定の熟練度と適正を持っている作業者が、決められた就業時間内に、良好な作業環境の元で、所定の仕事を遂行するのに必要な時間」のことを指す。

作業時間分析法
動作・作業にかかる時間を測定し、もっとも効率的に作業した場合の時間を標準時間とし、これらを組み立てて全体の作業計画とする

ワークサンプリング法
瞬間観測法とも呼ばれる。観測回数を決めて、ランダムな瞬間に、作業者の作業状況を観測し、作業内容や作業時間を分析する手法。

PTS法 】(predetermined time standard system)
作業に必要な動作を基本動作(サーブリック)に分解し、その基本動作の個々に標準時間を決めておき、作業の中に構成される基本動作の時間を合計して作業時間を決定する。

サーブリック
作業の基本動作のこと。
18種類の動素(サーブリック)は有用度別(第1類が有用度高く、第3類が有用度低い)に以下の3つに区分される。

第1類「必要、改善の余地あり」
「手を伸ばす」「つかむ」「運ぶ」「組み合わす」「使う」「分解する」「放す」「調べる」の8つ。動作の基本となるもので、仕事そのものと物の取り扱いからなる。この中で、価値を生む要素は「組み合わす」「使う」「分解する」のみである。

第2類「補助的、できるだけ排除せよ」
「探す」「見出す」「位置決め」「選ぶ」「考える」「前置き」の6つ。動作を遅れさせる要素で、治工具の置き方・使い方や材料の置き方に問題がある場合に発生するもの。

第3類「仕事に寄与しない、排除せよ」
「保持」「休む」「避けられない遅れ」「避けられる遅れ」の4つ。仕事が進んでいない状態であり、作業動作の不均衡(特に両手)や前後工程とのつながりの悪さ、などの原因で発生するもの。

上記第1類の価値を生む仕事である3つの動素(「組み合わす」「使う」「分解する」)を除くと、他の15の動素はすべて改善すべきものといえる。

稼働分析
稼働分析とは、1 日または長期間にわたって人または機械の稼働状況を観測し、その活動内容の時間的構成比率を統計的に推測し把握する手法である。「稼げる働き(付加価値作業)」と「稼げない働き(コストアップ作業)」を分析し、それぞれどれだけの時間をかけているかを定量的に明らかにすることでより生産的なシステムに改善すること、また標準時間設定のための適切な余裕率を求めることを主目的としている。


  [ 例題 ] 
  1. 平成20年度春期 問74  ワークサンプリング法
  2. 平成16年度春期 問76  ワークサンプリング法


     

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