企業と法務 - 22.企業活動 - 2.OR・IE - 1.線形計画法

Last Update : January 02 2021 16:00:50

     

a. OR・IE

OR 】( Operations Research )
「経営上の問題やシステムの運用に関する問題に、科学的な方法・技法および用具を適用して、これを管理する人々に最適の解を提供すること」
マネジメントサイエンスとも呼ばれる。

IE 】( Industrial Engineering )
IE は、人間、材料、および設備が一体となって機能を発揮するマネジメント・システムの設計、改良、設置をすることである。生産工学や経営工学とも呼ばれる。IEを規定し、予測し、評価するために、数学、自然科学、人文科学中の特定の知識を利用するとともに、技術上の分析と総合についての原理と手法を併用する。

QC 】( Quality Control )
品質管理。商品やサービスの質の向上を目指す活動


b. 線形計画法

LP法(Linear Programming)と呼ばれ、製品を作成するときや人員を配置するというような計画を立案する際に、人・物・金・時間・空間などの資源について必ず何らかの制約を受ける。

  • 配分問題
    少ない投資で最大限の利益を得るために、経営資源の配分を計画すること。
  • 輸送問題
    製品を輸送する際のコストを最小限に抑えるために、輸送量を計画すること。

このような制約条件の中で、目的とする最適な計画の解を見出すための手法が線形計画法である。

  • グラフによる解法
    線形計画法の中では、幅広く用いられている解法である。
    2次元のグラフ上に制約条件の範囲を描き、その中から目的関数を最大にする変数の値を見出す方法である。
    ただし、目的関数の変数が3個以上になると、この方法で処理するのは困難である。
  • シンプレックス法
    制約条件を表す1次不等式と目的関数を用いて、幾何学的な考え方に基づき、目的関数が最大となる変数の組を系統立てて順次探索していく解法である。

[例]
T 商店では毎日 K と L という菓子を作り,これを組み合わせて箱詰めした商品 M と N を 販売している。
箱詰めの組合せと1商品当たりの利益は表に示すとおりである。
K の1日の最大製造能力は 360 個であり,L の1日の最大製造能力は 240 個である。
1日の販売利益を最大にするように,商品 M と N を製造し,すべて販売したときの利益は何円か。

  K(個) L(個) 販売利益(円)
商品 M 6 2 600
商品 N 3 4 400

商品 M を x 個、商品 N を y 個売るとすると、 K の1日の最大製造能力は 360 個であり,L の1日の最大製造能力は 240 個であることから、

Kの個数 : 6x + 3y ≦ 360
 y ≦ 120 - 2x ・・・ (1)
Lの個数 : 2x + 4y ≦ 240
 y ≦ 60 - 0.5x ・・・ (2)

(1)と(2)より
120 - 2x = 60 -0.5x
60 = 1.5x
x = 40
y = 60 - 0.5 × 40 = 40
 x = 40 、y = 40 となる。
600 × 40 + 400 × 40 = 40,000
1日の販売利益の最大は 40,000 となる。


  [ 例題 ] 
  1. 平成24年度春期 問75  線形計画法
  2. 平成23年度秋期 問72  線形計画法
  3. 平成21年度秋期 問73  線形計画法
  4. 平成20年度秋期 問77  最大利益 線形計画法
  5. 平成19年度秋期 問77  線形計画法
  6. 平成18年度春期 問78  線形計画法
  7. 平成18年度秋期 問78  線形計画法
  8. 平成17年度春期 問76  マネジメントサイエンス
  9. 平成17年度春期 問78  線形計画法
  10. 平成16年度秋期 問78  線形計画法


     

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