経営戦略 - 21.ビジネスインダストリ - 3.e‐ビジネス - 2.EDI

Last Update : January 02 2021 16:00:49

     

a. EDIの仕組みと特徴

EDI ( Electronic Data Interchange )とは電子データ交換とも言い、商取引に関する情報を標準化した規約(プロトコル)に統一して、企業間でインターネットなどの通信回線を通してやり取りすることである。 各コンピュータ端末から通信回線を使って相手先の端末にデータを送り、電子情報の交換を行うことを指す。以下の4つはその中での規約である。

  1. 情報伝達規約(レベル1)とは、通信プロトコルとも言われ、電子情報を送信するにあたり必要な通信回線を介した接続方法を定めた規則である。
    J 手順(JCA手順)・H 手順(JCA-H手順)・全銀協手順・F 手順などがある。

  2. 情報表現規約(レベル2)とは、メッセージフォーマットやデータコードに関する規則であり、各データ交換者間で取り決められるものである。

  3. 業務運用規約(レベル3)とは、システム運用規約とも言われ、システムの運用や業務処理・運用時間の調整、作業ミス(人的エラー)や自然発生的なエラーからの回復に至るまでの細部にわたり取り決められた規則である。

  4. 取引基本規約(レベル4)とは、上記3つの規約を各データ交換者間で締結するにあたり、適応範囲、有効期間、変更手順を定めた規約であり、EDI においてはこの規約を結ぶことにより初めて契約が法的拘束力を帯びることになる。

Web-EDI
インターネットを利用したEDIのこと。従来のEDIでは、サービスごとに専用のシステムやネットワーク、データ形式の策定などが必要だったが、インターネット技術を利用することで、Webブラウザー、XML等を利用して比較的簡単にEDIを導入できる。
片方がウェブサーバーを持ち、相手側企業はウェブブラウザから、EDIシステムにアクセスするモデルである。相手側では、ウェブブラウザのみしか使用しないため、従来のEDIや上記の狭義のインターネットEDIに比して極めて導入が容易である。

XML-EDI
XML技術を用いたEDI全般を指す。 「データの属性を任意に定義できる」、「個々のデータ属性をコンピュータが識別でき、文書構造の変換などが容易である」といったXMLの利便性を生かし、より広範で運用性の高いEDIを実現できる。
また、従来のWeb-EDIでは実現できなかった取引の自動化も、取引プロセスの標準化を含めたEDIフレームワークの策定により可能になった。主な規格としてはRossetaNet、ebXMLなどがある。


b. データ交換での標準

EDIを実現するためには、データの標準化が必要であり、そのための標準形式が決められている。標準形式には、国際標準、国内標準、業界標準がある。

  1. 国際標準

    STEP 】 (Standard for the Exchenge of Product Model Data)
    製品モデルデータの表現及び交換に関する標準と呼ばれている。機械製造業で使われているコンピュータで理解可能な工業製品データの標準化でISO国際規格の1つ(ISO 10303)

    EDIFACT
    米国と欧州が採択した標準EDI(電子データ交換)プロトコルの略称。 EDIFACTの中核は、(1)電子文書を記述するための文法(シンタックス・ルール)、(2)電子文書用語集(データ・エレメント)、(3)標準文例集の3つ。

    ebXML 】 (Electronic Business using eXtensible Markup Language)
    拡張可能なマーク付け言語を用いた電子ビジネスともよばれ、インターネット上で提供される多様なサービスを共通のインタフェースで利用できるようにする技術

  2. 国内標準

    JIS X 7011-1
    EDIFACTをJISが国内標準化したもの。行政、商業及び輸送のための電子データ交換(EDIFACT)

    JIS X 7012-1
    産業情報化推進センター(CII)標準をJISが国内標準化したもの。行政・産業情報交換用構文規則(CIIシンタックスルール)

  3. 業界標準

    J 手順(JCA手順)
    日本チェーンストア協会が定めた、流通業界におけるデータ交換手順

    H 手順(JCA-H手順)
    JCA手順をOSIのMHSをベースにISDNへ対応させたもの

    全銀協手順
    全国銀行協会が定めた、金融機関におけるデータ交換手順

    F 手順
    日本情報処理開発協会(JIPDEC)の産業情報化推進センター(CII)が1991年5月に制定したファイル転送プロトコル。「ファイル転送用手順」とも呼ぶ。企業間の高速データ交換を目的としており、データを送信するたびに相手と接続してファイルを転送する。異機種コンピュータ間でも通信できるように、OSIのFTAMを基にしており、EDI(電子データ交換)に用いるための基本的な相互運用機能を持つ。




     

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