経営戦略 - 19.経営戦略マネジメント - 2.マーケティング - 1.マーケティング理論

Last Update : April 22 2021 17:12:56

     

a. マーケティング分析

マーケティングとは、顧客のニーズをつかみ、商品やサービスの流通を促進させる行動である.マーケティング活動は、計画( Plan )、実施( Do )、統制( See )の PDS サイクルによって表現でき、これをマーケティング管理という。

3C ( Custmer , Competitor , Company ) 分析
自社と顧客と競合環境を分析する事により、現在の状況を 客観的に捉え、今後の経営や営業の活動指針をゆるぎないものにするための手法です。
3Cとは、「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の頭文字。

  • 市場分析のポイント
    自社の製品やサービスを、購買する意志や能力のある潜在顧客を把握する。具体的には、市場規模(潜在顧客の数、地域構成など)や市場の成長性、ニーズ、購買決定プロセス、購買決定者といった観点で分析する。
  • 競合分析のポイント
    競争状況や競争相手について把握する。特に、競争相手からいかに市場を奪うか(守るか)という視点を持ちながら、寡占度(競合の数)、参入障壁、競合の戦略、経営資源や構造上の強みと弱み(営業人員数、生産能力など)、競合のパフォーマンス(売上高、市場シェア、利益、顧客数など)に着目する。競合との比較は、自社の相対的な強みや弱みの抽出にも役立つ。
  • 自社分析のポイント
    自社の経営資源や企業活動について、定性的・定量的に把握する。具体的には、売上高、市場シェア、収益性、ブランドイメージ、技術力、組織スキル、人的資源などを分析する。また、付加価値を生み出す機能や、コスト・ドライバーにも着目する。

ターゲティング
特定層にターゲットを絞って持続的なマーケティングを展開することです。市場を構成するセグメント間の異質性が高まり、多様化が進んでいる市場に対応する需要サイドアプローチの政策コンセプトということになります。

90年代以降、市場を構成するセグメント間の異質性が高まり市場の多様化が進んでいます。この市場に対応するためには、市場調査から得られた客観的な情報に基づいてセグメントを捉え、限られた資源の上で、戦略的なセグメントの選択と、そのセグメントへの持続的で固有なマーケティングの展開が必要になってきます。供給サイドのセグメンテーション政策から需要サイドのターゲティング政策への転換です。
従来、日本のメーカーが行ってきたマーケティングは、市場条件によらない、供給サイドからのアプローチだったと考えられます。その勝ちパターンの戦略は、水道哲学に象徴されるコストリーダーシップ戦略と、携帯電話、iモード、デジカメなどに典型的な、技術革新によって新しい需要を作り出す需要変更戦略です。そして、そのようなアプローチが通用しなくなっているのが現在です。
また、IT革命の進展によって、リサーチとアクションとの関係が劇的に接近し、情報とマーケティングアクションを結びつける持続的なマーケティングが展開できるようになっています。ターゲティング政策を実現する市場条件と技術的条件が整ってきたということができます。

セグメンテーション
何らかの基準で分類することによって市場を細分化することをセグメンテーションという

サンプリング
調査対象のすべてを調査することは不可能であるか、可能であっても膨大な時間と費用を要することが多い。その代わりに母集団の一部を標本として抽出(サンプリング)し、これを調査するすることにより母集団を推定することができる。また標本誤差も確立論的に推定できるので多くの市場調査で使われている。

ポジショニング分析
市場内における競合会社、競合ブランド、競合製品などと自社のそれらの相対的な位置について、その関係を分析する手法である。

市場調査(マーケティングリサーチ)
市場に関する様々な情報を収集し、分析する手法

  • 質問法
    調査者が設定して質問に答えてもらい、情報を収集する方法、アンケート調査
  • 観察法
    調査対象を可能な限り客観的に観察し、そこで得られた事実を解析して必要な情報を得る方法
  • 実験法
    2つのグループを用意し、ひとつにはマーケティング活動を行い、もう一方にはなにも行わず、その二つを比べて分析する手法


b. マーケティングミックス

マーケティング戦略において、望ましい反応を市場から引き出すために、ツールを組み合わせることである。
売り手側の視点に基づいたツールの4P理論と買い手側(顧客)の視点に基づいたツールの4C理論がある。

4P
売り手側の視点に基づいたもの

  • Product(製品)
    製品、サービス、品質、デザイン、ブランド 等
  • Price(価格)
    価格、割引、支払条件、信用取引 等
  • Place(流通)
    チャネル、輸送、流通範囲、立地、品揃え、在庫 等
  • Promotion(プロモーション)
    販売促進、広告、ダイレクトマーケティング 等

4C
買い手側(顧客)の視点に基づいたもの

  • Product(製品) ⇔ Commodity(商品)
  • Price(製品価格)⇔  Cost(コスト)
  • Place (陳列場所)⇔ Channel(流通経路)
  • Promotion(促進) ⇔ Communication(コミュニケーション)

マーチャンダイジング
マーチャンダイジングを企画するとは、結局「ターゲットに、何を、いくらで、どのように提供するか」を決定することです。すなわち、設定したターゲットに対し、

  • 提供物の品揃え(仕入・在庫)を決定する
  • 価格を決定する
  • 販売形態を決定する

マーチャンダイジングを「品揃え(仕入・在庫)」という意味にのみよく使われますが、実は「価格決定」「販売形態の選択」という意味も含まれています。同じような種類の商品でも、販売形態によって売れる価格、必要な品揃えも変わるからです。

c. CS ( Custmer Satisfaction:顧客満足)

製品やサービスを利用した顧客が精神的、主観的に感じる満足度のこと。

顧客ロイヤリティ
製品やサービスに対する顧客の信頼度や愛着度のこと。顧客が強いロイヤリティを持つと、繰り返し同じ商品を購入したり、良い評判を周囲に広めたりなど、企業にとって良い効果が得られるようになる。

ブランド戦略
企業または企業が供給する製品やサービスに対する、顧客イメージを高めるための手法

UX 】(User Experience)
人がモノやサービスに触れて得られる体験や経験」のこと。商品やサービスに触れて、ユーザーが感じることすべてがUXとなるのです。

コンバージョン率
コンバージョン率は、ウェブサイトを訪れたユーザーのうち、コンバージョン(サイトでの成果:商品の購入や申込み)に至ったのがどのくらいの割合かを示す指標です。

リテンション率
新規ユーザーのうち、一定期間内にアプリやWeb サービスに再訪したユーザーの割合を指し、定着率、継続率とも表現されます。


  [ 例題 ] 
  1. 平成28年度秋期 問68  4C 4P
  2. 平成23年度秋期 問69  マーケティングミックス


     

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