サービスデスクはサービスサポートを構成する唯一の機能組織であり、実態をもつものとして活動する。サービスデスクは利用顧客に対しての単一の窓口を提供し、様々な問い合わせを受け付け、その記録を一元管理すると共に問題解決を行う適切な部隊・あるいはプロセスへのエスカレーションを担当する。ITILではサービスデスクの機能のひとつである「単一窓口」をSPOC(Single Point Of Contact)と呼ぶ。
サービスデスクはカスタマサポートの機能を持ち、利用顧客とITサービス提供者間の橋渡し的な役割を持ち、事業への影響度の軽減、通常のサービスへの復帰の支援を目的として以下の目標を掲げている。また、担当者個々の対応の違いをなくすために応対マニュアルを作成し、そのマニュアルに従って応対する。
問合せの多い問題に関しては、FAQ(よくある質問と回答)を用意しユーザ自身で調べられる環境を作っておくとユーザの利便性が向上する。
【 SPOC ( Single Point Of Contact ) 】
「単一の窓口」という意味。複数の問い合わせ窓口を状況によって使い分けるよりも、窓口が1つなら、どんな場合でもそこを使えばよいので、使い勝手がよく効率がよいという意味で使われる。
【 一次サポート 】
サービスを継続させるための取り急ぎの復旧対応のこと。
マニュアルや知識データベースに従ってサポートする。
それでも障害が解消しなかった場合は、エンジニアへエスカレーションし、ノウハウによる手順書外の対応を行います。
【 ローカルサービスデスク 】
サービスデスクがユーザと同じ場所か物理的に近い場所に存在する形態
【 中央サービスデスク 】
サービスデスクを1箇所で運営する形態
【 バーチャルサービスデスク 】
実際の拠点は分散しているが、各拠点間で連携して仮想的に一つのサービスデスクを提供する形態
形態 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
ローカル サービス デスク |
サービスデスクがユーザと同じ場所か物理的に近い場所に存在する形態 | 物理的にユーザとの距離が近く、密なコミュニケーションと迅速な対応が可能 | スタッフが常に待機する必要があり、リソースに関しては非効率 |
中央 サービス デスク |
サービスデスクを一箇所で運営する形態 | 全体としてサービスデスクの数を減らすことができ、効率と費用対効果の向上が見込まれ、より少ないスタッフでより大量のコールに対応が可能 | 物理的にユーザと距離があるため、即時に現地対応する場合などに遅延が発生しやすい |
バーチャル サービス デスク |
インターネットの利用および企業向けサポートツールによって、実際には複数の要員が複数の地域や別部門に分散していても、単一の中央サービスデスクがあるかのように機能する形態 | 在宅勤務、2次サポート・グループ、アウトソーシングなど任意の組み合わせが可能となり柔軟な運営体制が構築可能 | サービスの品質と文化の一貫性と画一性を確保するための手段が必要 |
フォロー・ ザ・サン |
地理的に分散した2つ以上のサービスデスクを組み合わせる形態(ヨーロッパのサービスデスクは解決できなかった場合、更にそのインシデントを米国に引き継ぐやり方) | どのデスクも単一シフトで働けばよいため、比較的低コストで24時間対応が可能 | 共通のプロセス、ツール、情報共有DB,文化、引継ぎルールなど、整備すべき課題も多数発生 |
【 チャットボット 】
チャットボットは「対話(chat)」する「ロボット(bot)」という2つの言葉を組み合わせたもので、ユーザーとヘルプデスクをつなぐコミュニケーションツールです。
ユーザーが入力した問い合わせに、AIを利用して自動応答する仕組みです。
カスタマーサポートの自動化や、業務の効率化、人的コストの削減、労働生産性の向上といった数多くのメリットがあります。
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