サービスマネジメント - 15.サービスマネジメント - 2.サービスマネジメントシステムの計画及び運用 - 8.供給者管理

Last Update : April 19 2021 14:18:16

     

a. 供給者管理

この供給者管理とは、サービスの一部を外部へ委託している委託先企業(適用範囲外の別組織)を適切に管理することです。
目的は、顧客(利用者)に提供するサービスやサービスレベルが、委託先企業(組織)のミスや事故により、SLA違反やサービス停止が起こらないようにするため、そして責任の所在を明らかにするために、委託先企業(組織)をしっかり管理することです。
ISO20000のサプライヤ管理がISO9001の購買管理に類似している部分は次の通りです。
・ 外部委託を管理するプロセスの文書化(購買プロセス)
・ 外部委託管理のやり方(購買プロセス)
・ 委託先企業と結ぶ契約に含めるべき要求の明確化(購買情報)
・ 委託先企業の評価、選定、再評価のやり方(購買プロセス)
・ サプライヤの検証(監視)(購買製品の検証)
ただし、IS2O0000の契約に含めるべき要求事項では次の二点を考慮する必要があります。
(1) 顧客と結ぶサービスレベルを保つことができるサービス品質の要求を含めること。
(2) ISO20000で要求されている、契約に含める事項を購買情報に必ず含めること。
その他、ISO20000では「委託先企業との担当契約マネージャの任命」と「契約に関するプロセスの確立」も要求されており、その中でも特化されているのは契約関連のプロセスになります。
SLA中心の規格であるため、契約行為に関しては、詳細な要求事項があります。
例えば、「契約を通常終了するプロセスと早期終了するプロセスを定めること」「契約内容を社内で変更する方法を定めること」「契約上の紛争が起きた場合のプロセスを定めること」などです。
また、委託先企業(組織)が再委託をしている場合も、再委託先企業の管理方式の明確化や責任の明確化が要求され、SLA違反に対するリスクヘッジのための要求事項が盛り込まれています。

サービス提供者(プロバイダ)
サービスを直接提供している組織のこと。
 ・外部提供者:受託企業
 ・内部提供者:IT運用部門

サービス供給者(サプライヤ)
プロバイダを支援する組織のこと。
 ・外部供給者:システム開発ベンダ、サーバなどのハードベンダ、通信ベンダなど。
 ・内部供給者:IT開発部門、技術部門、一部のユーザなど。
 ・供給者として行動する顧客:インシデント及びサービス要求管理の活動の一部を実施する顧客など。

OLA 】( Operational Level Agreement :運用レベル合意書)
SLAを裏付けるものとして、ITサービス提供者の内部で取り決めた、作業や作業レベルの合意文書。
OLAはSLAの下位に位置づけられる。



     

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