サービスマネジメント - 15.サービスマネジメント - 2.サービスマネジメントシステムの計画及び運用 - 7.サービスレベル管理

Last Update : April 19 2021 13:41:49

     

a. サービスレベル管理

サービスレベル管理はIT事業者と顧客の間に結ばれるサービスレベルを具体的に維持管理していく為のプロセスである。SLASLMといった概念自体はITILが普及する前から知られており、さまざまなガイドラインも各種機関から公表されている。ITILにおけるサービスレベル管理は企業における「事業部門」や「経営部門」と「IT部門」間に設定されるものを第一とし、それらの部門をIT部門に対する顧客と位置付け、実際のサービス利用者をユーザあるいはエンドユーザと位置づけている。サービスサポートプロセスで定義されているインシデント管理などのプロセスがユーザ向けであるのに対し、サービスレベル管理は顧客向けのプロセスである。サービスレベル管理ではSLAをマネジメントすることを第一の目的とし、それを達成する為に以下の目標が掲げられている。

  • 顧客とサプライヤとの関係を保つ事。
  • ビジネス要件とサービス提供実現コストを相互評価する事。
  • サービスレベルの測定と継続的な改善を実施する事。

サービスレベル管理ではサービスレベルを定義,合意,記録及び管理するために,次の事項を実施する。

  • 関係者によって,サービスの範囲,サービスレベル目標を SLA として合意
  • 定期レビューによる SLA の維持
  • サービスレベルの監視と記録
  • サービス目標不適合の原因特定と是正処置又は予防処置の開始

SLM 】( Service Level Management :サービスレベル管理)
ITサービスの内容と品質について、ITサービス提供者と利用者の間で合意した内容をSLAとして文書化し、PDCAマネジメントサイクルに基づいてサービスレベルを継続的に維持・改善していく仕組み。
また、これらの活動を定期レビューなどの報告書にまとめ、ユーザへサービスの報告を行う。

SLO 】( Service Level Objective :サービスレベル目標 )
サービス提供者が、自社のサービスレベル(サービス品質)に関する目標・評価基準を定めたもの。
合意したSLAを履行するために、サーバーやネットワーク、ストレージなどの各領域の稼働率、性能、可用性、セキュリティ、サポートといった項目ごとに、パフォーマンスの目標値を表したものです。



     

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