技術要素 - 11.セキュリティ - 1.情報セキュリティ - 6.攻撃者の種類, 攻撃の動機

Last Update : April 14 2021 17:27:33

     

a. 攻撃者の種類

ハッカー
コンピュータやネットワークについて深い技術的知識を持ち、その知識を利用して技術的な課題をクリアする人々のこと。

クラッカー
コンピュータやネットワークについて深い技術的知識を持ち、その知識を悪用する人々のこと

ボットハーダー
マルウェアに感染したPCを踏み台とするボットネットを構築し、「C&Cサーバー」と呼ばれるマシンによってボットネットに命令を送り、サイバー攻撃を行う人々のこと。

スクリプトキディ
自分でコンピュータウイルスを作成する技術がなく、インターネット上や他人の製作したプログラム、スクリプト、既存のウイルスやクラックツールを入手し、それを使用して興味本位で不正アクセスを試みる初心者クラッカーのこと。


b. 攻撃者の動機
  1. 機密情報の搾取
    顧客の個人情報、従業員の個人情報、社内のプロジェクトに関するファイルや情報、などの機密情報は、サイバー犯罪者にとって最も興味があり価値あるものです。
    機密情報の搾取は、外部からの犯行より、内部の犯行が多い。

  2. 直接的な金銭のやり取り
    近年のサイバー攻撃では、システムを勝手に暗号化し、利用不可な状態にしてから金銭を要求するタイプの攻撃が増加しています。金銭奪取が目的です。

  3. 情報またはシステムの破壊
    ライバル企業に雇われた犯罪者、あるいはその企業に私怨を持つ者によって企業が保管している情報を破壊したり、システムを破壊したりすることがあります。

  4. サービス停止への追い込み
    Webサービスを展開している企業のWebサーバーやアプリケーションサーバーに過度な負荷をかけ、サービスを停止状態に追い込む攻撃も存在します。

  5. 企業のイメージダウン
    産業スパイ、あるいは企業に私怨を持つ者によって企業ホームページ等に不適切なコンテンツが掲載され、イメージダウンを狙うケースがあります。

  6. 自己顕示欲
    自己顕示欲を満たすためだけに攻撃を実行したりします。十数年前までのサイバー攻撃はこの類が大半を示していました。しかし、近年ではこれらは大幅に減少し、金銭搾取等を目的とした攻撃に変化しています。

  7. 嫌がらせや好奇心
    考えが未熟かつ幼稚なサイバー犯罪者の中には、単なる嫌がらせや好奇心によって無差別にサイバー攻撃を実施する愉快犯が存在します。

サイバーテロリズム
情報システムや情報通信ネットワーク等に対し,インターネットや電磁的記録媒体等を経由して不正侵入,不正プログラムの実行,その他の攻撃等を行うことにより,情報を窃取,改ざん,破壊し,もしくは情報システムや情報通信ネットワーク等を誤作動,停止させることなどにより機能不全に陥らせる行為を企図し,または実行すること
サイバー攻撃とも呼ばれます。

サイバーキルチェーン
現在のサイバー攻撃は段階を踏んで行われるようになり、その攻撃を構造化したものが「サイバーキルチェーン」と呼ばれます。

  1. 偵察・・・攻撃対象の調査
  2. 武器化・・・攻撃に用いるマルウェアなどの作成
  3. 配送・・・メールやWebサイトなどでマルウェアを送信/配信
  4. 攻撃(エクスプロイト)・・・攻撃対象者によるマルウェアの実行
  5. インストール・・・マルウェアへの感染・バックドアの作成
  6. 遠隔操作・・・マルウェアを介した遠隔操作の実施・C&C通信
  7. 目的実行・・・情報の盗み出しや改ざんなど、当初の目的を実行

ダークウェブ
ダークウェブとは、匿名性の高い特別なネットワーク上に構築され、簡単には閲覧できないサイトのこと
検索エンジンに登録されていないので、URLを直接知るしかアクセスする方法がない。
また、アクセスには特殊なWebブラウザが必要となるため、一般的なWebブラウザを使用している人は間違ってURLにアクセスしてもダークウェブの内容を確認できない。

一般的にアクセスしている通常のWebサイトは、「サーフェイスウェブ(表層Web)」と呼ばれている。サーフェイスウェブは、通常の検索エンジンで検索でき、一般的なブラウザを利用して内容を確認できるWebサイトのこと。

ディープウェブ(深層Web)と呼ばれるWebサイトもあり、一般的なWebプラウザで参照できるが、検索エンジンを回避するように作成されているサイト。直接URLにアクセスすれば、一般的なWebブラウザでもその内容が表示できる。



     

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