技術要素 - 10.ネットワーク - 5.ネットワーク応用 - 6.モバイルシステム

Last Update : April 13 2021 15:12:47

     

a. モバイル通信サービス

移動体通信事業者
移動体回線網を自社で保有し、直接自社ブランドで通信サービスを提供する事業者である。「音声やデータを運ぶ」というところから通信キャリア(または単にキャリア)や携帯電話回線事業者(または単に回線事業者)と呼ばれることもある。

仮想移動体通信事業者 】(MVNO:Mobile Virtual Network Operator)
携帯電話などの無線通信インフラ(モバイル端末に電波を送るための施設・設備・通信網のこと)を他社から借り受けてサービスを提供する事業者のこと

LTE
Long Term Evolution(長期的に進化)の略で、第3世代携帯電話(3G)を進化・高速化させた通信規格です。3Gと4Gの中間の技術であることから、3.9Gとも呼ばれる。
無線パケット通信のみをサポートし、音声の通信はVoIPでサポートされる。これを、Voice over LTE、略してVoLTEと称する。 LTEは、データ受信速度が最大150Mbpsの高速通信を実現しています。ただし、LTEの通信速度は、同じ通信会社のLTEでもエリアや対応機種によって最大受信速度が37.5Mbps / 75Mbps / 100Mbps / 150Mbps などと異なります。

VoLTE 】(Voice over LTE)
LTEのデータ通信を用いて音声通話を行います。そのため、従来の3G音声通話と比べて、より高音質な通話(HD Voice)や、音声通話を行いながらの高速データ通信、呼び出し音が鳴るまでの時間が短縮されます。周波数を効率的に利用できるため、一度に多くの通信ができるなどの特長もあります。
音声データをデジタルデータに変換し、他のデータと同じように“パケット”として扱い、LTE回線を使って通話をするというものです。

キャリアアグリゲーション
複数の異なる周波数帯を同時に使用して1つの通信回線とすることで、通信速度の向上や、安定した高速通信を実現する技術です。


b. モバイルシステムの構成要素

テザリング
インターネットの通信機能を持たない端末が、インターネット通信機能を持つスマートフォンや携帯電話とWifi・Bluetooth・USBなどで接続し、インターネット通信ができるようにする仕組み。

テレマティクス 】(telematics)
自動車に搭載されたインターネット接続が可能な端末を使って、交通情報や天気、ニュースといったさまざまな情報(コンテンツ)を利用できるようにする情報サービス、または、そのシステム全般のことを指します。


c. モバイル通信技術

ハンドオーバ
ハンドオーバーは、複数の通信エリアが重ね合わさるように連続して配置された環境において、端末が周期的に基地局の電波強度を監視し、より強い電波強度の基地局を検出したら通信を切断せずに電波強度の強い基地局に切り替えるための機能です。
この機能で通話や通信を続けながら接続する基地局を切り替えながら途切れることなく移動することができます。

ローミング
ローミングとは、ある通信事業者のネットワークサービスの加入者が、別の通信事業者のネットワークサービスを同じ接続条件で使えるようにすることです。

MIMO
MIMOとは、複数での入出力を意味する、Multi Input Multi Outputの略で、送信機と受信機の両方に複数のアンテナを搭載し、通信品質を向上させるワイヤレス通信技術です。
LTEでは、送信用(基地局)と受信用(端末)に各2本のアンテナを使う「2×2 MIMO」、各4本のアンテナを使う「4×4 MIMO」が規定されていますが、商用サービスとしては現在2x2 MIMOまでです。
LTE(LTE Advanced)では多重度がさらに上がり、送信用と受信用に各8本のアンテナを使う8x8 MIMOまで規定されています。最大帯域幅も20MHz幅から100MHz幅へと増えるため、最大スループットは下り3Gbps(8×8 MIMO)まで高速化が可能とされています。

LPWA 】(Low Power Wide Area)
消費電力を抑えながらセンサーが取得した情報を遠くまで送信するIoT向け無線通信技術のこと。

IoTエリアネットワーク
IoTデバイスとIoTゲートウェイ間のネットワークをIoTエリアネットワーク(IoTANW)とよびます。
IoTデバイスとIoTゲートウェイの接続には、無線接続されています。接続に利用されている無線方式には、Wi-Fi、Bluetooth、920MHz帯無線(IEEE802.15.4g)、ZigBee(IEEE802.15.4)などのタイプがあります。
IoTではモノをインターネットに接続するわけですが、モノだけでネットに繋がることはまず少ないです。モノにセンサーを付けたりスマートフォンを活用しすることで、まずはモノのデータを取得し、ネットワークへとデータを飛ばしていくのです。この各種センサーやスマートフォンのことを「エッジデバイス」とも呼びます。
エッジデバイスでデータを取得したら、IoTゲートウェイがエッジデバイスのデータを中継してインターネット上のサーバーへ転送します。
また、IoTゲートウェイはエッジデバイスの管理・制御もおこないます。
IoTゲートウェイとインターネットの接続は、WiMAX、3G、LTEなどの無線回線やイーサネットなどの有線回線で接続されます。


  [ 例題 ] 
  1. 平成30年度秋期 問35  携帯電話通信規格


     

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