技術要素 - 10.ネットワーク - 4.ネットワーク管理 - 3.SNMP

Last Update : April 12 2021 22:25:17

     

a. SNMP (Simple Network Management Protocol)

SNMPは、ネットワーク上に存在する管理対象の機器と、その管理を司る機器(管理ステーションと呼ばれる)の間で、管理情報をやり取りするための通信プロトコルである。通信にはUDPを用いており、TCP/IPをベースとした管理プロトコルの標準といえる。SNMPはRFC1157で規定されている。

SNMP管理ステーションにはSNMPマネージャと呼ばれるソフトウェアがそれぞれ常駐して通信を行う。管理されるのはネットワーク機器の性能や構成、障害、セキュリティ、アカウントの5種類である。SNMPマネージャやSNMPエージェントは、それぞれの管理情報をMIB(Management Information Base、「ミブ」)と呼ばれる独自のデータベースに保存する。

SNMPマネージャに対して情報を提供するのがSNMPエージェントである。その実体はルーターなどに組み込まれたソフトウエア・モジュールで、「SNMP対応機器」といえば一般にこのSNMPエージェント機能を備えたネットワーク機器のことを指す。代表的なSNMPエージェントは、ルーター、LANスイッチ、プリント・サーバーといったLAN機器である。このほか、UPS(無停電電源装置)やプリンタ、パソコンもSNMPエージェントになる。LAN上に流れたデータを集めて記録しておく専用装置(RMONプローブ)もある。

SNMPの特徴は、その名が示すようにプロトコルが単純なことである。たとえば、マネージャとエージェントの間でやり取りされるSNMPのコマンド(命令)やレスポンス(応答)は、基本的に6種類だけと少ない。特にエージェント側は、障害発生などのイベントをマネージャに通知することを除けば、すべてマネージャからの要求に応じてMIBから情報を引き出して送信するという受け身の動作だけなので、プログラムはコンパクトで実装も容易である。そのためハブやルータなど、プログラムサイズが限定されるネットワーク機器にもSNMPはよく実装される。逆にマネージャ側は、エージェントが担わない仕事をすべてこなす必要があるので、複雑になりやすい。


  [ 例題 ] 
  1. 平成20年度秋期 問55  ネットワーク管理プロトコル


     

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