●LAN間接続
接続装置 | 内容 | OSI |
ハブ (HUB) |
複数のパソコンからケーブルを集めるときに使用される。 |
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リピータ |
リピーターとは、伝送信号の再中継を行なうもので、異なるメディアセグメントの相互接続や、同一メディアセグメントの距離延長、接続端末台数の増加、ケーブルメディアの変換に使用する装置です。片方のセグメントから受け取った信号を波形整形し、決められたレベルに増幅して、リピーターに接続されたすべてのセグメントに送出(リピート)します。 |
物理層 |
ブリッジ | ブリッジとは、セグメントとセグメントを接続する機器です。送信元と送信先のMACアドレスからデータを相手のセグメントに流すかどうか判断するフィルタリング機能を持つ。 |
データリンク層 |
ルータ | ルーターとは、ネットワーク(LAN
とLAN、LANとWAN)間の接続を行うネットワークデバイスのひとつです。ネットワーク間を接続するデバイスとしては他にリピーター(HUB)やブリッジ(スイッチ)もありますが、ルーターはより高度な処理に基づいて制御され、主に中・大規模なネットワーク構築に用いられます。 WANを介したLAN同士の接続。経路選択、中継。 ルータはIPパケットの経路を決めてあげるための装置です。また、ブロードキャストドメインを分割することができます。 ●ルーティングテーブル 「スタティックルーティング」 各ルータのテーブル内容を最初から管理者が手動で決定しておく。 「ダイナミックルーティング」 各ルータが周囲のルータと情報交換しながらあるアルゴリズムに従ってテーブルの内容を最適なものに更新していく。 |
ネットワーク層 |
ゲート ウェイ |
ネットワークアーキテクチャーやプロトコルの異なるLAN間を接続する(プロトコル変換機能を持つ)。 |
トランスポート層 |
【 スイッチングハブ 】
スイッチングハブは、イーサネット(レイヤ2)において、OSI参照モデルのデータリンク層(第2層)のデータでパケットの行き先を判断して転送を行なうもの。
レイヤ2スイッチ(L2スイッチ)とも言う。ブリッジが2ポート製品から多ポート製品となっていく過程で、従来のリピータと同等の専用機器として定着したものである。
従来のハブ(リピータハブ)が1つのコリジョンドメインとなるバス型ネットワークの性質をもち接続端末数が増えると大幅なパフォーマンス低下をもたらすのに対し、スイッチングハブはスター型ネットワークの中核としてコリジョンドメインを個々の端末で分割し個別の接続を割り当てるため接続端末数が増加してもパフォーマンスが落ちないのが大きな違いである。また、ブロードキャストドメインの分割などのためにVLANに対応したものもある。その分スイッチングの為のハードウェア機構が複雑になりコストは割高になる。
データリンク層のプロトコルにはEthernetなどで馴染み深いMAC(メディアアクセス制御)があり、MACアドレスを見てデータの行き先を決定する。
IPやTCP、HTTPなどのプロトコルはネットワーク層(第3層)以上に位置するため、レイヤ2スイッチはこうしたプロトコルの違いを気にせず使用できる。
【 レイヤ3(L3)スイッチ 】(layer 3 switch)
OSI参照モデルのネットワーク層(第3層)のデータでパケットの行き先を判断して転送を行なうもの。
ネットワーク層のプロトコルとしては使われるのはIPがほとんどであるため、レイヤ3スイッチの多くもIPの情報や機能を利用して経路制御を行なう。
レイヤ3スイッチは、IPアドレスによる経路制御、ルーティング機能(RIP、OSPF、BGPなど)を使用して、パケットを目的のIPアドレスに対応する出力ポートに転送する。
レイヤ3スイッチでは多数のプロトコルをサポートしているものがある。また、プロトコル別にルーティング制御を行なうことができる機器もあり、1つのレイヤ3スイッチで複数のネットワークを形成することができる。
レイヤ3スイッチはハードウェアレベルでルーティング処理を行っているため、ルーティング速度は接続している回線のスピードと同等となり、ルータと比べて桁違いに高いスループットが得られる。
レイヤ3スイッチという名称はOSI参照モデルによる分類を根拠としているが、詳細な機能は製品によって大きく異なる。高機能なレイヤ3スイッチでは、ルータと同等のフィルタリング機能(トランスポート層以上の層に関しても処理する)などを有するものもある。また、カットスルールーティング(ネットワーク層レベルの中継処理をATM・Ethernetのスイッチング動作に置き換えること)のみを行なう機器もある。
【 スパニングツリー 】
スパニング・ツリーとは、LANのネットワーク上でやりとりしているデータ(MACフレーム)が永遠に回り続けることを防ぐLANスイッチの機能である。LANスイッチでスパニング・ツリーを有効にしていると、もしネットワークがループ構成になっていても、LANスイッチがポートを自動的にブロックし、論理的にはループのない構成を作ってくれる。
フレームがLAN内で永遠に回り続ける状況は「ブロードキャスト・ストーム」などと呼ばれる。イーサネットでは、IPアドレスから相手のMACアドレスを調べるARPをはじめとして、ブロードキャスト通信を多用している。このため、ネットワークがループ状に構成されていたら、あっという間にLAN内にフレームが溢れかえり、ケーブルを抜くかLANスイッチの電源を切るしかなくなってしまう。
IPパケットにはTTLと呼ばれるパケットの寿命に関する情報が入っている。
IPパケット内のTTLは、ルーターで中継するたびに値が減っていき、0になったらそのパケットは廃棄される。また、ルーターはそもそも、あて先がわからないパケットを受け取ると、そのパケットを廃棄するようになっている。このため、ネットワークがループ状に構成されていても、いつまでもネットワークにパケットが残るということはない。
ただし、これはルーターが扱うIPパケットの話である。LANスイッチが扱うMACフレームには、TTLのような寿命を示す情報は存在しない。LANスイッチは、ブロードキャストはもちろん、あて先がわからないフレームも廃棄せずに全ポートに転送する。そのため、ループ構成のあるLANのネットワークでは、永遠にフレームが回り続けてしまう恐れがある。
スパニング・ツリーはネットワークのどこで利用するのかが見えてくる。スパニング・ツリーが必要なのは、ルーターを介さずにLANスイッチだけで通信する「スイッチ・ネットワーク」の範囲である。
ネットワークは、基本的にルーターとLANスイッチで構成されている。ルーターは、ネットワーク全体を「サブネット」という単位で管理しており、一般的にスイッチ・ネットワークは一つのサブネットとなるように設計されている。
スパニング・ツリーは元々「ループを無効にする」という、ユーザーのミスを防ぐために生まれた技術である。しかし最近は、ネットワークの信頼性を高める目的でスパニング・ツリーを使うのが一般的になっている。
つまり、障害発生時に障害経路をう回できるように、わざとネットワークにループ構成となる部分を作っておくのだ。スパニング・ツリー機能はネットワークの状態が変わると、最適な状態となるように構成を変更する。このため、スパニング・ツリー機能を有効にしておけば、論理的にループ構成をなくすと同時に、障害が発生しても別の経路に切り替わって、ネットワークを使い続けられる。
最も単純なのは、LANスイッチ同士を2本のケーブルでつなぐこと。スパニング・ツリー機能で、1本のケーブルの通信が途切れたときに、もう1本のケーブルにデータを流す。こうすれば誤ってケーブルが抜けたり、LANポートが壊れても通信が続けられるようになる。
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