技術要素 - 9.データベース - 2.データベース設計 - 2.データベースの設計

Last Update : January 02 2021 16:00:25

     

a. データベースの概念設計

概念設計では、データベースによって管理の対象とするものを現実の世界から抽出して概念モデルを作成します。概念モデルは、最終的にリレーショナルデータベースでデータを管理するとしても、特定のデータモデルを意識して作成するものではありません。 概念モデルの作成にあたっては、E-Rモデル(実体参照モデル)がよく使用されます。E-Rモデルでは、その名のとおり、実体(エンティティ)と関連(リレーションシップ)によってモデルを作成していきます。実体は現実の世界を構成する実体そのもの(業務でその情報を必要とする対象物である人、物、場所、事象を表す。)、関連は実体間のつながりを表現します。また、実体や関連は属性(アトリビュート)を持つことができます。

エンティティ(実体)間の関連には、

  • 1 対 1
  • 1 対 多
  • 多 対 多

がある。この対応関係をカーディナリティと言う。


b. データベースの論理設計

論理設計では、概念設計によって作成された概念モデルを、特定のデータモデルに対応した論理モデルに変換します。したがって、リレーショナルデータベースによってデータを管理するのであれば、E-Rモデルからリレーショナルモデルを作成していきます。 E-Rモデルからリレーショナルモデル、つまり、テーブル(リレーション)への変換は機械的に行うことができます。しかし、そのままテーブルに変換しただけでは、リレーショナルモデルとして適切な形式にならない場合があります。 そこで、論理設計ではテーブルをリレーショナルモデルとして適切な形式に変換する作業(正規化)を行います。テーブルを正規化することによってデータの冗長性や不整合の発生を減少させることができます。
また、論理設計では、E-Rモデルにおける属性をテーブルの列(フィールド・項目)としてデータ型を決定し、テーブルや列に対して制約を定義するといったことも、この段階において行います。

制約
制約とは、テーブルに収めることのできる値を制限するもの。制約を定義して、入力されるデータに規則を適用することでテーブルのデータを正確に保つことができる。

  • 主キー制約
    主キーであると指定された属性(あるいは属性の組)については、主キーとしての条件を満足しなければならないという制約
  • 一意制約
    一意であると指定された属性(あるいは属性の組)については、その属性内で同じ値が2回以上現れないという制約
  • 非空制約
    非空であると指定された属性は、空値(NULL)になってはいけないという制約
  • ドメイン制約
    レコードの値は、対応する属性のドメインの要素でなければならないという制約
    属性に定義されている値の範囲でなければ入力できない。
  • 参照整合性制約 (referential integrity)
    外部キーであると指定された属性(あるいは属性の組)が、外部キーとしての条件を満足しなければならないという制約
    外部キーとは、 1 つのテーブル(従属テーブルと呼ばれる)の 1 つの列または一連の列で、別のテーブル(親テーブルと呼ばれる)の主キーを参照するのに使用する。
    参照関係のある表間において、相互整合性を維持するために入力や削除を制限すること


  [ 例題 ] 
  1. 平成28年度春期 問29  関係データベース 外部キー
  2. 平成24年度秋期 問31  関係データベース
  3. 平成23年度春期 問34  関係データベース 外部キー
  4. 平成21年度秋期 問32  関係データベース キー
  5. 平成20年度秋期 問56  E-Rモデル
  6. 平成18年度春期 問63  データベース
  7. 平成14年度秋期 問44  E-Rモデル
  8. 平成14年度秋期 問70  関係データベース
  9. 平成13年度秋期 問67  関係データベース 主キー


     

www.it-shikaku.jp