技術要素 - 7.ヒューマンインタフェース - 1.ヒューマンインタフェース技術 - 2.ヒューマンインタフェース

Last Update : July 07 2022 20:28:29

     

a. インタフェースを実現する技術の種類

ユーザインタフェース (User Interface) は、機械、特にコンピュータとその機械の利用者(通常は人間)の間での情報をやりとりするためのインタフェースである。ヒューマンマシンインタフェース (HMI) あるいはマンマシンインタフェース (MMI) と呼ぶことがある。ユーザインタフェースは以下の手段を提供する。
入力 - ユーザがシステムを操作する手段
出力 - ユーザが操作した結果システムが生成したものを提示する手段

ヒューマン・マシン・インターフェース
人間にとって使いやすい機械を実現するには、人間と機械の間に介在するHMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)をより適切に設計することが重要であると言える。
ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)の5側面から観察する。
HMIの5側面とは、身体的適合性・頭脳的(情報的)適合性・時間的適合性・環境的適合性・運用的適合性をいい、この5側面を念頭に直接観察すると効果的です。

  • 身体的側面は、人と機械(システム)との身体面での適合性である。ATMの場合、操作部の高さなどが該当項目である。
  • 頭脳的(情報的)側面は、人間と機械との情報面のやり取りに関する適合性である。ATMならば、ユーザに提示する情報が分かりやすく、見やすいなどに関する事柄である。
  • 時間的側面は、作業時間、休息時間、機械の反応時間などの時間面での適合性であり、特に、疲労の問題に大きくかかわる。
  • 環境的側面は、環境面での適合性であり、気候(温度、湿度、気流など)、照明、空調、騒音、振動、臭気などが関係する。
  • 運用的側面は、HMIを上手く運用するための側面である。昨今の複雑化、巨大化したシステムにとって、この運用的側面が安全性、サービスなどの点で重要な要素となっている。

ユーザビリティ 】(Usability)
特定の利用条件において、特定のユーザによって、ある製品が特定の目標を達成するために用いられる際の効果・効率・満足度の度合い。
どれだけ利用者がストレスを感じずに、目標とする要求が達成できるかをいう。
つまり、どんなユーザが、どんな目的を持って、どういう利用状況で使うのかを把握した上で、効果・効率・満足度の3つを評価しなければなりません。

  • 効果・・・ユーザが正確に目的を達成することができる
  • 効率・・・ユーザが無駄な手順を踏まないで目的を達成することができる
  • 満足度・・・ユーザがイラついたり、イヤな思いをしないで気持ちよく使える

アクセシビリティ 】(accessibility)
さまざまな製品や建物やサービスへの、アクセスしやすさ、接近可能性などの度合いを示す言葉である。
IT分野では、さまざまな情報端末やソフトから閲覧参照できることを目指している仕様と理念をさす。
また、身体的障害などの理由により、制約ある条件のもとで利用する方々にも、提供する情報やサービスの内容がきちんと伝わり、利用できるような作りになっているかを示す概念

「Webアクセシビリティ」とは、Webを利用するすべての人が、年齢や身体的制約、利用環境等に関係なく、Webで提供されている情報に問題なくアクセスし、コンテンツや機能を利用できること ということができます。そして、そのようなWebコンテンツを「アクセシブルなWeb」と言う。

アクセシビリティとよく似た言葉に、「ユニバーサルデザイン(universal design)」、「バリアフリー」というのがある。まず、「ユニバーサルデザイン」は、ゼロからモノを作る際に、最初から様々なユーザーが利用できるように設計してデザインしていくというアプローチを指す。そして、「バリアフリー」は、そういったことを全く考えずに作られたモノについて、後からユーザーにとっての様々なバリアを取り除いていくというアプローチを指すのです。これらが目指すものは「アクセシビリティ」であり、その基本的な考え方は同じであるといえるでしょう。Webコンテンツでたとえるなら、新規サイトやリニューアルの企画・設計の段階でアクセシブルなWebサイトを構築しようとするのが「ユニバーサルデザイン」、既存サイトのアクセシビリティをリニューアルせずに可能な範囲で改善していくのが「バリアフリー」ということができる。

アクセシビリティとユーザビリティの違いは、ユーザビリティは使いやすさ、分かりやすさという意味で、ユーザーがその目的を効率よく達成できるためのWebコンテンツの使いやすさや分かりやすさ"と説明することが出来る。
それに対して、アクセシビリティは、ユーザーがそのWebコンテンツを使えるかどうかというレベルであり、アクセシビリティが確保されていないWebコンテンツでいくらユーザビリティに配慮されていても、ユーザーはそのWebコンテンツを使うことができないため意味がなくなる。
つまり、まずアクセシビリティを確保してユーザーが使えることを保障し、その上でユーザビリティに配慮してユーザーにとっての使いやすさ、分かりやすさを向上させるというように考えるとよい。
アクセシビリティが「使えるかどうか」を示す根本的な問題を示す概念であるのに対し、ユーザビリティは、「利用する際の使い勝手、わかりやすさ、効率の良さ」などといったアクセシビリティの一歩先の概念と言える。

アクセシビリティのガイドラインとして、JIS X8341「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス」が制定されている。

インタラクティブシステム
PCや様々なデジタル機器の操作において、ユーザーがストレスなく目的を達成することが出来るよう、ユーザーとシステムとが音声・動画手法を用いて「対話」を行いながら作業を進めていくシステムのこと

コンピューターからの画像や音声によるメッセージに対して、ユーザーがマウスやキーボードを入力して操作を進めていく。ユーザーが積極的に参加できるため、コンピューターを利用した学習教材にも使われる。

音声認識
人の話す音声言語をコンピュータによって解析し、話している内容を文字データとして取り出す処理のこと。

画像認識・動画認識
画像認識では、ピクセルの集合である画像データから、ある種のパターンを取り出し(特徴抽出)、そこから意味を読み取るという処理を行う。パターンの分析によって対象物の意味を抽出することをパターン認識と呼ぶ。パターン認識は、画像認識だけでなく、音声認識や言語解析などにも用いられている。

ノンバーバルインタフェース
言葉によらない、非言語インタフェースのこと。

自然言語インタフェース
自然言語インターフェイスは、さまざまなコンピュータシステムに対して自然言語で問い合わせができるようにするためのツールである。したがってその仕事は大ざっぱに言えば、入力された自然言語の文字列をエキスパート/データベースシステムの問い合わせ言語に変換することである。
自然言語インターフェイスの処理は、一般的に、形態素解析、構文解析、意味解析、文脈解析の順で行なわれる。

  1. 形態素解析は文字列を単語へと分解し、その単語を辞書を用いて特定する処理である。
  2. 構文解析(統語解析)は文法を用いて係り受けなどの文の構造を特定する処理である。
  3. 意味解析は知識を用いて文の意味を特定し、問い合わせ言語として出力する。
  4. 文脈解析はその文単独では決定できない、前後の文脈を参照する必要のある処理(たとえば代名詞が何を指すか)を行い、文の最終的な意味を決定する。

VUI 】(Voice User Interface)
声によるインターフェース のことを指します。ユーザーの声で入力し、ユーザーに声で出力することで、コンピュータやサービスと情報のやり取りを行います。
声によってコンピュータとあらゆる情報のやり取りを行うことを指します。音声を使用してコンピュータやデバイスを操作できるようにする技術です。

選択的知覚
その人の興味・経験・態度をベースに選択的に物事を知覚・判断する偏向。
何でも自分の都合のいいように捉えてしまう偏向

UXデザイン 】(User Experience:ユーザー体験)
UXデザインとは、ユーザーにとってうれしい体験を実現する仕組みを作り出すことを意味します。
人は製品そのものでなく、製品ががもたらす体験を求めています。つまり、製品は体験を構成する重要ではあるが一要素にしか過ぎません。
使うことで楽しくなるような体験を作り出すようにデザインするということ。


  [ 例題 ] 
  1. 平成30年度秋期 問24  ヒューマンインタフェース
  2. 平成22年度春期 問72  アクセシビリティ
  3. 平成22年度秋期 問27  ユーザビリティ
  4. 平成21年度春期 問28  ヒューマンインタフェース
  5. 平成21年度秋期 問26  ユーザインタフェース
  6. 平成21年度秋期 問27  ユーザインタフェース
  7. 平成16年度秋期 問79  情報バリアフリー


     

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