コンピュータシステム - 5.ソフトウェア - 5.オープンソースソフトウェア - 2.UNIX系OS

Last Update : January 02 2021 16:00:22

     

a. UNIX系OSの種類

System V 系
System Vとは、AT&T社が、同社(当時)のベル研究所(Bell Laboratories)で開発された初代UNIXから派生する形で開発した商用のUNIXシステム。

  1. SunOS(Solaris)
    Solarisとは、SunSoft社(Sun Microsystems社の子会社)が開発・販売しているUNIX系OS。Sun Microsystems社製のコンピュータで動作するほか、PC/AT互換機で動作するバージョンもある。同社はSolaris以前にSunOSというBSD系OSを開発していたが、SunOS 5.xからSystem V系に変更された。BSD系最後のリリースにあたるSunOS 4.1.4にはSolaris 1.1.2という名称が与えられ、System V系のSunOS 5.6にはSolaris 2.6という名称が与えられた。最近は「SunOS」はSolarisのカーネル部分を指す言葉として用いるようになっている。
  2. HP-UX ( Hewlett Packard UNIX)
    HP-UXとは、Hewlett Packard社のUNIX互換OS。同社のRISC方式のマイクロプロセッサ「PA-RISC」シリーズを搭載したコンピュータで動作する。
  3. AIX ( Advanced Intereactive eXecutive )
    IBM社の開発したUNIX互換OS。同社のRS/6000シリーズなどに搭載されている。AT&T社のSystem Vをベースにしている。同社のメインフレームシステムや、パソコン用OSのOS/2などとの連携に優れている。
  4. IRIX
    シリコングラフィックス社 (SGI) によって開発されている、BSD機能拡張を施したSystem Vをベースとする、32ビットおよび64ビットのMIPSアーキテクチャのワークステーションおよびサーバ用UNIX系オペレーティングシステムである。
  5. UnixWare
    SCO社(Caldera社が買収)がリリースしていた商用UNIX系OS。System V系列に属するOSで、x86系アーキテクチャで動作する。
    UnixWareは、もともとSystem Vのライセンスを保有していたUSL社をNovell社が買収し、x86システム向けに移植したもので、多くのSystem V 派生OSの中でも直系の子孫と言われている。

BSD 系
BSDとは、元々カリフォルニア大学バークリー校(UCB)が開発・配布していたUNIXライクなOSや、それに付随するソフトウェアのこと。
「BSDライセンスというライセンス体系に基づいて公開されている」OSがこれに該当する

  1. NetBSD
    4.4BSD-Liteをもとに開発されたUNIX互換OS。移植性を高め、できるだけ多くのハードウェアをサポートすることを目指している。このため、サポートしているハードウェアの数が非常に多いのが特徴。また、より先進的な機能を重視し、積極的に新しい機能を取り込んでいる。
  2. FreeBSD ( Free Berkley Software Distribution )
    FreeBSDは安価なPC/AT互換機上で動作し、他のUNIX互換OSと同様、優れたセキュリティや高い安定性を備えているため、インターネットサービスプロバイダや学術機関などを中心に導入が進んでいる。Linuxと並んで、インターネットサーバとして人気のあるOSである。  FreeBSDはBSDライセンスというライセンス体系に基づいて公開されているため、GNUプロジェクトのGPLに基づいて公開されているLinuxなどよりも利用に関する自由度が高い。
  3. OpenBSD
    4.4BSD-Liteをもとに、Theo de Raadt氏らが中心となって開発が始まったUNIX互換OS。他のUNIX互換OSに比べてセキュリティの高さを特徴としており、標準でKerberosやsshなどの様々な暗号システムが導入されている。しかし、セキュリティ強化のため必要のないサービスは標準では最小限に留められており、ある程度知識がないと何もできない。

BSDライセンスとは、オープンソースソフトウェアで使用されているライセンス体系のひとつ。無保証・免責を宣言し、再配布する際に著作権表示を行なうことのみを条件とする、極めて制限の緩いライセンスである。  著作権表示さえしておけば、BSDライセンスのコードを他のプログラムに組み込み、しかも組み込み後のコードを非公開にできるため、商用化のしやすいライセンスである。また、GPLのように再配布時のライセンス条件を制限することもない。  BSDライセンスはBSD系UNIXで採用されているほか、BSDライセンスに近いライセンス方式をApacheが採用している。

Linux 系
Linuxとは、1991年にフィンランドのヘルシンキ大学の大学院生(当時)Linus Torvalds氏によって開発された、UNIX互換のOS。
Linuxは他のOSに比べ、低い性能のコンピュータでも軽快に動作する。また、ネットワーク機能やセキュリティーに優れ、また非常に安定しているという特長を持つ。いらない機能を削ぎ落とし、必要な機能だけを選んでOSを再構築することができるという点も他の多くのOSには見られない特徴である。
Linuxは既存のOSのコードを流用せず、0から書き起こされた。GPLというライセンス体系に基づいて、誰でも自由に改変・再配布することができる(ただし、改変・追加した部分はGPLに基づいて無償で公開しなければならない)。開発当初はIntel社のx86系マイクロプロセッサを搭載したコンピュータでしか動かなかったが、多くのプログラマによって、Alpha、SPARC、PowerPCなどのプラットフォームに移植された。
GPLとは、FSFの理念に基づいて明文化されたソフトウェアライセンス体系。主にGNUプロジェクトで開発されたソフトウェアや、その派生物などに適用されている。ソースコードの公開を原則とし、使用者に対してソースコードを含めた再配布や改変の自由を認めている。また、再配布や改変の自由を妨げる行為を禁じている。


b. 推進団体

The Open Group
UNIXシステムの標準化を推進する業界団体。全世界から200以上の企業が参加している。X/OpenとOSFが合併して1996年2月に設立された。「UNIX」の商標権をX/Openから引き継ぎ、UNIX系のOSを開発している企業にライセンスしている。


  [ 例題 ] 
  1. 平成25年度秋期 問21  OSS ライセンス
  2. 平成24年度秋期 問21  OSS
  3. 平成21年度秋期 問21  OSS ライセンス
  4. 平成20年度春期 問40  OSS
  5. 平成16年度秋期 問48  OSS


     

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