コンピュータシステム - 5.ソフトウェア - 1.オペレーティングシステム - 1.OS の種類と特徴

Last Update : January 02 2021 16:00:20

     

a. OS の種類と特徴

ソフトウェアの体系と種類

システムソフトウェア基本ソフトウェア
(広義のOS)
制御プログラム(狭義のOS:基本通信制御含む)
汎用言語プロセッサ
サービスプログラム(ユーティリティ)
ミドルウェアDBMS
通信管理システム(LAN制御ふくむ)
ソフトウェア開発支援ツール(CASE含む)
第4世代言語
EUCツール
GUI制御
ワードプロセッサ
グラフィック処理
運用管理ツール
応用ソフトウェア
(アプリケーションソフトウェア)
共通応用ソフトウェアCAD
CAIオーサリングシステム
エキスパートシステムシェル
機械翻訳
OR、統計処理
LP、シミュレーション、多変量解析など)
科学技術計算ライブラリ
特殊問題向き言語
個別応用ソフトウェア各種業務固有のアプリケーション

オぺレーティングシステム
ハードウェアのいろいろな機能を効率よく使うことや、ユーザにできる限り使いやすい環境を提供することを目的とした、基本的なプログラム群のことをいう。 通常、OS(Operating System)とよばれる。
OSは、さまざまなアプリケーションプログラムを実行させるために、ハードウェアに対して指示を与えて制御し、環境を整えている。
以下のソフトウェア群で構成される。

  • 制御プログラム(狭義のOS)
    ハードウェアを管理・制御し、ハードウェア資源を有効に活用するためのソフトウェア。
    ジョブ管理、タスク管理、データ管理、記憶管理、運用管理、障害管理、通信管理、入出力管理の機能を有する。
  • サービスプログラム(ユーティリティプログラム)
    コンピュータを利用者が容易に操作できるように、補助的なプログラムを提供する。
    ファイル変換、テキストエディタ、分類/併合、整列等 ソートプログラム、エディタ、リンカ等がある。
  • 言語処理プログラム
    プログラム言語で書かれたソースプログラムを機械語のプログラムに変換するためのソフトウェア。
    コンパイラ、インタプリタ、ジェネレータ、アセンブラ等

ミドルウェア
基本ソフトウェアと応用ソフトウェアの中間に位置するものです。
複数のアプリケーションソフトウェアに共通の機能を提供する。

アプリケーションソフトウェア
各業務処理のためのソフトウェア
特定の目的で利用するソフトウェアのこと。

シェル
ユーザーから入力されたコマンドを解釈し、 プログラムを起動するアプリケーションのこと。
入力されたコマンドを解釈して、対応した機能を実行するようにOSに指示を伝えるプログラム


b. OSの種類

Windows
マイクロソフトが開発・発売している、主にAT互換機用*1のグラフィカルユーザーインターフェイス OSの名称。
カーネルに16bitのソースコードを含んだ9x系と完全な32bitのNT系があったが、Windows XPで統合された。
使用しているユーザ数、技術者数、初心者の数が多いため、ウイルスが作製されたり、ウィルスが実行されたりする機会が多い。
なお、Windowsと呼ばれるOSには、PDA、ハンドヘルドPC、組み込み用途向けのWindows CEもある。Windows CEは、MIPS、ARM、SH4などの複数のCPUをサポートしている。

MacOS
アップルのパーソナルコンピュータ「Macintosh (Mac)」と共に登場したオペレーティングシステム(以下、OS)のこと。グラフィカルユーザインタフェース(以下、GUI)の普及に大きく貢献した。
現在のアップルが開発・販売している後継のMac OS X(テン)は技術的に直系ではないため、単にMac OSといった場合は概ねバージョン9までのクラシックOSを指す。

UNIX・Linux
UNIXは一般に、完全なマルチタスク機能を搭載し、ネットワーク機能や安定性に優れ、セキュリティー強度が高いことで知られるOS。
また、1台のコンピュータを複数の人間で同時に使用することを前提に設計されたマルチユーザOSであり、ネットワークを通じて端末機から作業をすることができる。
1968年にアメリカAT&T社のベル研究所で開発されたOSで、C言語というハードウェアに依存しない移植性の高い言語で記述され、またソースコードが比較的コンパクトであったことから、多くのプラットフォームに移植された。
また学術機関やコンピュータメーカーの手によって、独自の拡張が施された多くの派生OSが開発され、現在ではUNIX風のシステム体系を持ったOSを総称的にUNIXと呼ぶことが多い。
代表的なものだけでも、Sun Microsystems社のSolarisとSunOS、Hewlett Packard社のHP-UX、IBM社のAIX、SGI社(旧Silicon Graphics社)のIRIX、Caldera Systems社(旧Santa Cruz Operations社)のUnixWare、カリフォルニア大学バークリー校(UCB)のBSDとFreeBSDなどの派生OS、Linus Torvalds氏のLinuxなどがある。


c. OSの目的

A. システムの信頼性や安全性の確保
● RASISの向上(Reliability Availability Serviceability Integrity Security)

  • Reliability (信頼性)
    故障をできるだけ起こさないこと。
  • Availability (可用性)
    故障が起きても、速やかに回復し、システムの稼働状態を正常に保つこと。
  • Serviceability (保守性)
    障害の原因を速やかに診断し、保守作業を迅速に遂行できるようにすること。
  • Integrity (完全性)
    操作ミス、プログラムミスなどによる、データやプログラムの破壊を防止すること。
  • Security (安全性)
    システム内のデータが故意に盗まれたり、破壊されたり、しないように保護すること。

B. コンピュータ資源の有効活用
資源とはCPU、メモリ、入出力装置、プログラム、ファイル、データなどを指し、これらを無駄なく利用することを「有効活用」と呼ぶ。例えばCPU が使われていない時間が少ないこと。これらはスループット、ターンアラウンド時間により評価される。

  • スループットの向上(処理(単位)時間当たりの処理能力)
    これを高めるため、多重プログラミングやスプーリングなどの手法が用いられる。
  • ターンアラウンドタイムの短縮(ジョブを出してから結果が出るまでの時間)
  • レスポンスタイムの短縮(データ入力が終了した時点から出力開始までの時間)

C. 使い易い環境の提供
様々なユーティリティプログラムを提供し、利用者がOS を容易に操作できるようにする。

  • GUIによる操作性
  • メモリや周辺機器の拡張が容易に行える拡張性
  • どのコンピュータでもデータやソフトが使用できる汎用性

  [ 例題 ] 
  1. 平成22年度秋期 問55  EUC


     

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