コンピュータシステム - 3.コンピュータ構成要素 - 5.入出力装置 - 3.補助記憶装置

Last Update : April 13 2021 11:00:06

     

a. 補助記憶装置や記憶媒体の種類

ハードディスク装置
ハードディスク装置は、プラッタ、スピンドル、スイングアーム、磁気ヘッド、アクチェータ(ヘッド位置決め装置)によって構成される。

  • プラッタ(磁気ディスク)
    情報が記録される媒体そのもの。 表面に磁性体が塗布されている。磁化の向きで情報が記録される。 磁性体を塗布または蒸着した金属またはガラスのディスクで、データを記録保持する。 複数の磁気ディスクを同軸に配置し、ディスク枚数は 2枚から10枚程度。
  • スピンドルモーター
    プラッタを回転させる動力です。 回転速度は、毎分7,200回転、毎分10,000回転、毎分15,000回転などがある。
  • スイングアーム
    アクセスアームともいう。磁気ヘッドとヘッドポジショナを結び付けるアーム。
  • 磁気ヘッド
    スイングアームの先端に取り付けられており、プラッタ表面の磁気記録層に対して磁気データを読み書きする。 電磁誘導の原理を用いる。
  • アクチェータ(位置決め装置)
    ヘッドポジショナともいう。磁気ヘッドをディスクの適切な位置に移動させるためのもの。ディスク円周の接点と直角をなす方向に駆動する。

  • トラック
    トラックは、磁気ディスク上にある円周上の記録範囲のこと。磁気ヘッドの位置が磁気ディスク上で決まると、磁気ディスクが回転することでその範囲のデータを読み出すことができる。
    1つのディスク上に複数のトラックがある。基本的にすべてのトラックの容量は同じ。そのため、ディスクの内周ほど記録密度が高い。
  • セクタ
    1つのトラックをいくつかに分割したものをセクタという。読み書きの最小単位になる。
  • クラスタ
    セクタをいくつかにまとめたものをクラスタと呼ぶ。
  • シリンダ
    磁気ディスク装置のディスク面は複数あり、それぞれの磁気ヘッドはそれぞれのディスク面の同じトラック位置になる、そのため一度位置を決定するとスイングアームを動かさずに一度でそれぞれのディスク面にあるトラック上のデータを読み書きできる。
    スイングアームを動かさずにデータを読み書きできるディスク上の論理的な範囲をシリンダと呼ぶ。ハードディスクでは、シリンダは筒状の形になる。

●磁気ディスク装置のアクセス時間
アクセス時間とは、制御装置がデータの入出力に関する要求を出してから、データの転送が完了するまでの時間のこと。

  • 平均位置決め時間
    シーク時間」とも言います。磁気ヘッドを目的のトラックまで移動する時間。
  • 平均回転待ち時間
    サーチ時間」とも言います。トラックで該当のデータの先頭までの時間。通常は1分間当たりの回転数から求める(rpm)。
  • データ転送時間
    データを転送する時間。

-- 計算方法 --

  1. 1 回転時間
      1 分 ÷ 1 分間当たりの回転数
  2. 平均回転待ち時間
      1 回転時間 ÷ 2
  3. データ転送速度
      1 トラックの記憶容量 ÷ 1 回転時間
  4. データ転送時間
      データ容量 ÷ データ転送速度
  5. アクセス時間
      平均位置決め時間 + 平均回転時間 + データ転送時間

●フォーマット
ハードディスクはフォーマットをしないと使えない。そのフォーマットの形式に物理フォーマットと論理フォーマットの二種類がある。

  • 物理フォーマットは、ハードディスクのトラックとセクタを割り振るフォーマット
  • 論理フォーマットは、使用するOSによるファイルシステムを構築するためのフォーマット

●デフラグメンテーション
HDDのようなディスク式記憶装置でファイルの生成と削除を繰り返していると、ファイルが占める領域がだんだんと分断化されてゆく。これをフラグメンテーション(断片化)という。ファイルが断片化すると、ひとつのデータがディスクのあちこちに点在している状態になり、余分にディスクヘッドを多く動かさなければならないため、ファイルアクセスが遅くなり、またディスク装置の寿命を縮める恐れもある。空き領域が断片化すると、大きなファイルを生成するときに断片化しやすくなる。元々は、ファイルシステムがあえて断片化を許容することでデータの柔軟な管理を可能としているため、断片化は宿命といえる。
デフラグはこのような断片化された状態を整理し、ファイルや空き領域を記憶装置中で連続的に配置し直すことによってファイルアクセスの速度を向上させる可能性がある。
デフラグメンテーション処理自体も連続的な読み書き動作をディスク装置に求めるため、ディスク装置の寿命を縮める可能性があり、どの程度の断片化でデフラグを行うべきで、行うべきでないのかといった点で信頼できる実験データなどは知られておらず、おおむね経験則に基づいて実行されている。

フロッピーディスク装置
「フロッピーディスク」は、「トラック」と「セクタ」から構成されています。データはセクタ単位に記憶されます(セクタ方式)。読み書きは、磁気ヘッドとディスク面は接触して行う。
●記憶容量
  1セクタの記憶容量 × 1トラックのセクタ数 × 1面当たりのトラック数 × 記録面数


SSD 】(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)
半導体素子メモリ(フラッシュメモリ)を使ったドライブ(記憶媒体)のこと。
メリット
・衝撃に強く、発熱、消費電力が少ない。
・読み書きの速度が非常に速い。
・作動音がない。
・HDDよりサイズが小さく、軽い。
デメリット
・HDDに比べて容量が少ない。
・まだまだ容量単価としての価格は高い。
・突然故障してデータの読み出しができなくなることがあり、データの救出が困難。

SSDの転送速度はHDDと比較すると非常に高速です。SSDの転送速度が速い大きな理由としては、機械的な待ち時間が存在しないことが挙げられます。HDDはどうしても、目的のトラックまでヘッドを移動させる「シーク時間」と、そのトラック上で目的のセクターが来るまで待つ「回転待ち」時間に数十ミリ秒~百数十ミリ単位の時間を要します。これがSSDとHDDの速度差を感じさせる大きな原因の1つです。そんな高速データ転送が可能なSSDですが、実は「書き換え寿命」が存在します。
SSDに用いられている「フラッシュメモリ」のデータを記録する最小単位をセルと呼びますが、このセルは徐々に劣化を起こします。一般的な「NANDフラッシュメモリ」の場合、セルはおよそ1千~1万回程度の書き込みと消去で寿命に達します。


CD-R/RWドライブ
●データの書き込み方式

  • パケットライティング
    CD-RW、DVD-RW等でデータの書き込みや消去を可能にする書き込み方式。
    データはパケットという単位で管理され、管理情報が付加される。
  • ディスクアットワンス
    データを一度に書き込む方式。追記は不可。
  • トラックアットワンス
    データをトラックの単位で書き込む方式。追記も可能。

ブルーレイドライブ
波長の短い青紫色レーザを使用して記録を行う装置で、片面一層のディスクで 25 GB、片面二層のディスクで 50 GBが記録できる。
BD-ROM : 読み出し専用
BD-R : 追記型。2層式は、BD-R DL
BD-RE : 書き換え型。2層式は、BD-RE DL
論理フォーマットは、UDF2.5を採用。

DVD-R/RW ドライブ
DVDは、MPEG2と呼ばれる動画圧縮方式を採用し、動画を2時間程度記録できる。
論理フォーマットは、UDFを採用。

磁気テープ装置
磁気テープは、1プロック記録するのに「IBG」(Inter Block Gap)を含める必要があります。IBGはブロックを識別するためのものです。1ブロックには複数のレコードが記録されます。

いくつのレコードをまとめるかを表現したものがブロック化因数


この場合ブロック化因数3
ブロック化因数1のときブロック化しない。しかし1レコードに1つIBGはつく。

●ブロック長の計算
(1) ブロック化因数×レコード長
(2) (1)÷記録密度
(3) (2)+IBG (mm./ブロック)

●一巻に記録できるレコード数
(1) テープの長さ÷1ブロックの長さ(上記の(3))
(2) (1)×ブロック化因数 (レコード数)

●1プロックの読み込み時間
(1) レコード長×ブロッック化因数
(2) (1)÷データ転送速度
(3) (2)+起動時間 ※IBGの中間でテープは一旦停止する。
  


光磁気ディスク装置
光磁気ディスクでは、データの書き込みは、光で記録面を熱して、磁気で磁化して記録する。
読み出しは、光を使って読み込む。


  [ 例題 ] 
  1. 平成27年度秋期 問12  セクタ数
  2. 平成26年度春期 問12  磁気ディスク装置
  3. 平成23年度秋期 問14  磁気ディスク
  4. 平成22年度春期 問12  磁気ディスク
  5. 平成22年度秋期 問14  磁気ディスク アクセス時間
  6. 平成21年度秋期 問13  セクタ数
  7. 平成17年度秋期 問22  平均アクセス時間
  8. 平成17年度秋期 問23  データ容量
  9. 平成16年度春期 問22  磁気ディスク容量
  10. 平成16年度春期 問24  フォーマット


     

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