コンピュータシステム - 3.コンピュータ構成要素 - 4.入出力デバイス - 1.入出力インタフェース

Last Update : April 13 2021 10:46:34

     

a. 入出力インタフェース

●シリアルインタフェース

USB
USB規格では、1つのバスについて周辺機器は最大で127台接続可能である。接続口が足りない場合には、ツリー状に拡張できるUSBハブの使用も想定している。プラグアンドプレイにも対応しており、規格制定当時の一般的な外部インターフェースでは不可能だったホットプラグも可能としていた。

規格名最大データ
転送速度
対応周辺機器の例相当する
インターフェース
USB 1.012Mbit/sマウス、キーボードRS-232C、PS/2
USB 1.112Mbit/s
USB 2.0480Mbit/s外付け記録装置、プリンタ、携帯機器の充電
最大5m
IEEE1394
USB 3.05Gbit/sHDカメラ、Flashメモリを含む携帯機器、SSD、Webカメラ
最大3m
HDMIの一部
USB 3.110Gbit/sSSD

USB の転送モードには、アイソクロナス転送、インタラプト転送、コントロール転送、バルク転送の4種類がある。

  • アイソクロナス転送は、スピーカなどデータの転送に使わる。
    動画や音声データのようなリアルタイム性を必要とするデータの転送に適した転送方式。
    エラーが発生しても再送が行われないことや、一定の転送レートが保証されることが特徴。
      転送モード :高速(High)12Mbit/s
      保証速度  :1023バイト/1ミリsec
      その他   :エラー検出や再送を行わない

  • インタラプト転送は、少量のデータの転送に用いられる転送方式。
    キーボードやマウスなどの入力データの転送などに用いられる。
    「インタラプト」と言ってもターゲット側から自発的に転送が行われるわけではなく、一定の周期でホスト側からポーリングすることによってデータの転送が行われる。
      転送モード :低速(Low)1.5Mbit/sと高速(High)12Mbit/s
      保証速度  :8バイト/1ミリsecと64バイト/1ミリsec
      用途    :低速でも良い機器(キーボード・マウス等)
      その他   :エラー検出と再送を行う

  • コントロール転送は、機器の初期化や設定用に使われる。デバイスの設定・制御のためのもの。
    コントロール転送は、「標準リクエスト」、「クラスリクエスト」、「ベンダリクエスト」と呼ばれる様々なコマンドのやり取りに用いられる。
    デバイスの接続時には、このコントロール転送によってどのようなデバイスが接続されたかが認識されるため、全てのUSBデバイスはコントロール転送をサポートする必要がある。
      転送モード :低速(Low)1.5Mbit/s
      保証速度  :8バイト/1ミリsecと64バイト/1ミリsec
      用途    :低速でも良い機器(キーボード・マウス等)
      その他   :エラー検出と再送を行います

  • バルク転送は、磁気ディスクやスキャナーなど大容量のデータの転送に使われる。
    時間的な制約のない大量のデータを正確に伝えるのに適した転送方式。 データに誤りがあった場合やFIFOに空きがない場合再送されるのが特徴。
      転送モード :高速(High)12Mbit/s・SuperSpeed(SSモード) - 5 Gbps・SuperSpeed+(SSモード) - 10 Gbps
      保証速度  :なし
      用途    :大量にデータを転送するがリアルタイム性が不要な機器
             (プリンタ・スキャナ・TA等)
      その他   :エラー検出と再送を行う

  

  

周辺機器同士を直接接続するための仕様USB On-The-Goがあるが、これはどちらか片側がホスト動作することで同一のセマンティックスとなるようになっている。

RS-232C
シリアルポートとも呼ばれる。モデムを接続するインターフェイスで、「EIA」によって規格化されている。転送速度は、56kbpsが主流。最大115.2kbps PC側には2種類のコネクタがあり、1つは25ピンで、もう1つは9ピン。どちらも、通称「D-Sub(ディー・サブ)」と呼ばれる形状のコネクタを使用している。基本的に両者はピン数が異なるだけで信号線は同一。また、PC側コネクタがピンの出ているオスで、ケーブル側コネクタがメスであることも変わりない。

 

 

IEEE1394
米アップル社の「FireWire」という規格をもとに標準化された。転送速度は、100Mbps 200Mbps 400Mbpsがある。ホットプラグに対応。デイジーチェーンやツリー接続により最大63台の接続が可能です。
USBのようなホストコントローラが必要ない。
転送モードは、非同期形式とアイソクロナス形式のデータ転送がサポートされています。非同期形式では、データとトランザクション層情報が明示的なアドレスに転送されます。アイソクロノス転送では、データは固有のアドレッシングではなくチャネル番号に基づいてブロードキャストされます。アイソクロノス転送ではバス上の一定のクロックに合わせて転送を行ない、一定の間隔での確実な転送が保証される。 このため、ムービーデータなどの高速なマルチメディア転送にも向いている。

 

 

シリアルATA
Ultra ATAなどの現在のATA仕様で採用されていたパラレル転送方式を、シリアル転送方式に変更したもの。
シンプルなケーブルで高速な転送速度を実現することができる。従来のパラレル方式のATA諸規格との互換性も持っている。さらに、従来はドライブごとに必要だったジャンパピンなどの設定もSerial ATAでは不要になる。
シリアルATAの最初の規格「Serial ATA 1.0」は1.5Gbps(1バイトの転送に10ビット使うため、転送速度は150MB/s)と、従来の約1.4倍の速度を実現する。2004年4月には通信速度を3Gbps(転送速度は300MB/s)に引き上げたシリアルATA2(Serial ATA/300、SATA300とも)規格が、2009年5月には6Gbps(600MB/s)のシリアルATA3(Serial ATA/600、SATA600とも)規格が発表された。

Bluetooth
2.5GHzの電波を使用した無線通信のインターフェイス。壁などがあっても接続できる。通信距離がおおむね10 m程度
近年、新しいBluetoothの通信方式ができ、それはBLE(Blutooth Low Energy) と呼ぶ。Bluetoothとだけ呼ぶと新旧どちらかかわからないため、以前のBluetooehをBluetooth Classicと呼ぶ。 違いは、以前のBluetoothと比べて、大幅に省電力化されていること。 以前に比べて30分の1以上省電力化されている。
また、BLEはスマートデバイスとの接続が容易になっています。


ZigBee
IoTやセンサーネットワーク、家電の遠隔制御などに用いられる近距離無線通信規格の一つ。通信速度は遅いが低消費電力で、多数の装置がバケツリレー式にデータを運ぶメッシュネットワークに対応している。


IrDA
赤外線を使用した無線通信のインターフェイス。 壁などがあると接続できない。通信距離がおおむね30 cm~1 m程度と短い


HDMI 】(High-Definition Multimedia Interface:高精細度マルチメディアインターフェース)
映像や音声などを1本のケーブルにまとめて送ることのできる通信規格の一種である。デジタル家電向けのインタフェースである。
主にテレビとハードディスクレコーダー、ゲーム機などの間を接続する際に用いられる。
特徴として、
・映像・音声・制御信号の伝送を1本のケーブルで実現しており、AV機器の配線を簡略化できる。
・完全なデジタル伝送であるため、DA/AD変換回路が不要で、データ誤りが発生しない限り伝送過程で映像音声の情報が変化しない。
・映像・音声を非圧縮で伝送できる。


Display Port
パソコンとディスプレイ等をデジタル接続する、インターフェイスです。 DVIより小型、HDMIよりも高速なうえ、1本のケーブルで、映像・音声・制御信号を送受信できます。
また、複数のディスプレイを数珠つなぎにするだけでマルチディスプレイ環境ができます。
伝送レートは最大10.8Gbpsで、最大2560×2048ドット以上の解像度に対応し、色深度は48ビット(RGB各色16ビット)、リフレッシュレートは最大120Hz(120fps)となっており、映像インタフェースとしての基本スペックはHDMIに近い。ただし、データはRGBの映像信号とクロック信号を別々に送るHDMIとは異なり、映像/音声すべてを「Transfer Unit」というマイクロパケットに分割して宛先デバイスへシリアル転送する。
出力側を「ソースデバイス」、入力側を「シンクデバイス」と定義している。ソースデバイスとシンクデバイスが相互に通信し、最適な解像度/色深度/リフレッシュレートなどを自動的に調整できるのが特徴だ。映像/音声データの伝送は「レーン」と呼ばれる1/2/4本のチャンネルと2つのデータレート(1.62Gbps/2.7Gbps)を組み合わせることができ、最小構成は1レーンで1.62Gbps、最大構成は4 レーン×2.7Gbpsで10.8Gbpsとなる。


●パラレルインタフェース

SCSI
周辺機器用のインタフェイス「SASI」の改良版。初期の規格は、SCSI-1でしたが、その後、SCSI-2 SCSI-3となり、現在の主流は、SCSI-3です。20M 40M 80Mバイト/秒の規格がある。接続台数も最大15台。(SCSI-1では8台で最終装置にターミネータが必要。5Mバイト/秒)。デイジーチェーン接続が可能。

 

IDE
ハードディスク用のインタフェイスとして規格化したものです。後に、ANSIが「ATA」として規格化しました。通常は内臓のHDDやCD-ROMを接続します。

 


GP-IB
マイクロコンピュータと計測機器を接続するための規格。現在では計測機器だけでなく、周辺機器の接続も可能です。最大15台まで接続可能で、データ転送速度は、1kbps~1Mbpsです。 (現在は8MByte/sec)
24ピンのマイクロリボンコネクタを採用している(しばしばセントロニクスタイプと誤って呼ばれている)。オス/メスのコネクタが対になっているので積み重ね(スタック)て簡単にデイジーチェインが可能である(これをピギーバックコネクタとも言う)。

 

セントロニクス
プリンタ用に開発されたパラレルインタフェイスです。転送速度は最大150kバイト/秒。
アンフェノール・フルピッチと呼ばれる36ピンのコネクタを採用している(ケーブル側がオスでプリンタ側がメス)。

 

IEEE1284
セントロニクス互換としても動作するパラレルインタフェイスです。主な用途はプリンタとの接続だが、ZIPドライブやスキャナ・ネットワーク、あるいはドングルと呼ばれるソフトウェアのプロテクト・キーなど、さまざまなデバイスの接続にも使われる。接続モードが5種類あり、最大転送速度は8Mバイト/秒で、7台のデイジーチェーン接続が可能。
D-Sub 25ピン・コネクタを採用している(ケーブル側がオスでPC側がメス)。

 


b. データ転送の方式

パラレル転送
複数の信号線を使って、同時に複数のビットを転送する。

シリアル転送
1つの信号線を用い、データを 1 ビットずつ転送する


c. 接続形態

スター接続

カスケード接続

デイジーチェーン接続

ツリー接続

バス接続


d. 入出力制御の方式

入出力制御方式とは、「入出力装置」と、「CPU、主記憶」との間でのデータ転送を制御する方式のことを言う。以下の3種類がある。

直接制御方式
プログラム制御方式とも呼ばれ、CPUが入出力装置の動作を直接制御するもの。これは、マルチプログラミングには不向き。その理由は、入出力要求が発生するたびにプロセッサがレジスタを介して主記憶と入出力装置の間でデータ転送をするためです。入出力が終了するまでCPUはかかりっきりになる。

DMA方式
CPUと入出力装置に置かれた「DMA(ダイレクトメモリアクセス)」(DMAコントローラと呼ばれる専用の回路)が、CPUに代わって入出力装置の動作を制御する。これにより、CPUと入出力装置の並列動作が可能となる。
CPUを介することなくデバイスとメモリの間でデータをやり取りする。
データ転送時にCPUに負荷をかけないので、システム全体の実行速度が向上する。
データ量が多いとき、コンピュータのバスをCPUの支配から取り上げ、一時的に他の装置がこのバスを専有して、効率を上げる。この場合は、CPUを通さずに、直接外部機器とメモリの間でデータ転送を行うので、高速度で多量のデータをブロックとして転送できる。
と言っても、データ転送が行われるまでは CPU が入出力制御を行うが、CPU からの入出力命令があると CPU は DMA コントローラという入出力制御専用のチップにその情報を送る。
その後は、DMA コントローラが入出力を制御する。ただし、入出力データの転送が開始されるまでと、入出力動作中にバスで競合が起きた場合には CPU が待たされることになる。
DMAはCPUを追放して、周辺機器(FDD・ディスプレイ・HDD)とメモリを直結してしまうという考えである。ただし、CPUの代わりにDMAコントローラ(DMAC)と呼ばれるハードウェアが必要である。
UltraATAでは、転送方式として、DMAを拡張した、UltraDMAが使用されている。

入出力チャネル方式
DMA制御方式の一つで、CPUはチャネルに対して、入出力の実行命令からなるチャネルプログラムだけを発行して、制御をチャネルに引き渡す。
CPUは、上記により、入出力完了の割込みがあるまで入出力動作から解放される。DMA方式よりも並列度を高めることが可能である。ただし、PCでは使われていない。
チャネルは、チャネルプログラムを解読・実行して、入出力制御装置に動作を指示して、主記憶と入出力制御装置でデータ転送を行う。
※上記の処理により、CPUと入出力装置の完全な並列動作が実現されて、これにより、入出力動作中のCPUの空き時間を利用した「マルチプログラミング」が可能となる。

「チャネル」とは、コンピューターの仕事を中断することなく、同時にコンピューターに入力・出力するデータの流れを制御するもの。一般的に「入出力専用制御装置」と言う。
「チャネルプログラム」とは、チャネルへ渡す命令群からなるソフトウェア。

[追加]USB ,RS-232C ,IEEE1394 ,SCSI ,シリアルATA ,HDMI , DisplayPort, Bluetooth ,BLE(Bluetooth Low Energy), Zigbee, IrDA, NFC




     

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