コンピュータシステム - 3.コンピュータ構成要素 - 2.メモリ - 6.記録媒体の種類と特徴

Last Update : January 02 2021 16:00:19

     

a. 記録媒体の種類と特徴

CD ( CD-ROM , CD-R )
CD-ROM, CD-Rの構造は、

  1. ポリカーボネート基板
  2. 有機色素
  3. 反射層
  4. オーバーコート(トップコート)

の 4 層からなっています。ディスクによっては、商品的な魅力を加えるためにさらに上に保護層を追加したものもあるが、あくまでもこの 4 層が基本。

  • CD-ROM
    読み出し専用の光ディスク。
    ICメモリのROMと同じで、内容を読み取ることはできるが、書き換えや消去はできない。
    アルミ盤表面にあけたビットとよばれる凹みの傾きでビットを表現し、それをレーザー光線の反射で識別する。
    現在では材料も安価になり、最も普及している媒体である。
  • CD-R
    CD-ROMの、書き込みができないという欠点を解消したものがCD-R(CD-Recordable)である。
    CD-ROMと同様の円盤に記録層を塗布してあり、そこにレーザー光をあてて記録層の有機色素を焼き、光の屈折率を変えることで情報ビットを記録する。
    ただし一度だけしか書込みできない(読み込みは何度でも可)。
    CD-Rは媒体が安価なこともあり、現在普及しつつある。
    ただし、CD-Rのフォーマット規格がさまざまなレベルにあり、フォーマットによってはほかのコンピュータで使用できないことがある、という問題点も指摘されている。
  • CD-RW
    CD-Rの“1度しか書込みできない”という欠点を解消したのが、CD-RW(CD-ReWritable)である。
    CD-Rを改良し、繰り返し書込み直しできるようになっている。

ハードディスク
磁気ディスク装置とは、記憶装置のひとつで、パソコンなど、ほとんどのコンピュータに搭載されている、代表的な外部記憶装置。
磁性体を塗布したアルミニウムやガラスのディスクをモーターで高速に回転させ、磁気ヘッドでデータを読み書きする仕組みになっている。
ディスクの大きさは、ノートパソコン向けのものは 2.5インチが、デスクトップパソコン向けのものは 3.5インチがそれぞれ主流。また、コンピュータとの接続方法には、SCSIやIDE(ATA)などが使われる。

  • SCSIハードディスク
    SCSI(スカジー)とは、Small Computer System Interface の略で、コンピュータと様々な周辺機器を接続するための一般的な規格のひとつ。
    主にハードディスク(磁気ディスク装置)などの接続に用いられている。
    SCSIハードディスクは、コンピュータでのデータ記録装置として機能・性能・拡張性・信頼性を追求した製品のため、構造の剛性を高めるなど、過酷な使用環境も想定した装置となっている。
  • IDEハードディスク
    IDE(アイディーイー)とは、Integrated Drive Electronics の略で、コンピュータとハードディスク(磁気ディスク装置)を接続するための一般的な規格のひとつ。
    ハードディスクを広く手軽に利用できるようにした規格で、そのため、IDEハードディスクは 1日当たりの使用時間が 8~10時間程度でアクセス頻度が比較的少ない使用を想定した装置となっている。
    SCSIなど他の接続方式に比べて簡単で低コスト

3.コンピュータ構成要素 - 5.入出力装置 - 3.補助記憶装置 参照

DVD ( DVD-ROM , DVD-RAM ,DVD-R )

DVD装置
CD-ROMと同様に標準サイズは 12 センチで 4.7GB ~ 17GB と大容量。 DVD はディスクを 2 枚張り合わせた構造のため、「片面」、「両面」、「1 層」、「2 層」の 4 種類が存在する。

  片面 両面
1層式 4.7GB(4.37GiB) 9.4GB(8.74GiB)
2層式 8.54GB(7.95GiB) 17GB(15.90GiB)

種類としては以下の通りです。

  • DVD-ROM・・・読み出し専用
  • DVD-R・・・追記型
  • DVD-RAM・・・書き換え可能型
  • DVD-RW・・・書き換え可能型

ブルーレイディスク 】(Blu-ray Disk)
CD・DVDと同じ大きさ(直径12cm、厚さ1.2mm)のディスクで、青紫色半導体レーザーを使用するため、DVDの5倍以上の記録容量(1層25GB、2層式ディスクの場合は50GB)を実現している。

  • 25GB(1層12cm)
  • 50GB(2層12cm)
  • 7.5GB(1層8cm)
  • 15GB(2層8cm)

フォーマットは、UDF 2.5(BD-RE Ver.1.0はBDFS)、読み込み速度は、36Mbps(標準1.5倍速、最高6倍速)

フラッシュメモリ( USBメモリ,SDカード)
電気的に消去(書き換え)できるROMでできた記憶装置。電源を切ってもデータは消えない。EEPROMを改良したメモリで、ブロック単位で消去/書き込みができるようになっている。ただし、消去/書き込み回数には上限がある。
デジタルカメラ・携帯音楽プレーヤ・携帯電話などの記録用として使われている。

フロッピーディスク
プラスチックの円盤の表面に、磁性材料を塗布したもので、磁化された向きによって情報を記録するもの。 物理的な稼動部分をもつ補助記憶装置としては、以前は最も普及していた。
フロッピーディスクの容量は最大1.44MBである。大きさは、3.5インチ・5インチ・8インチがある。
データを記憶するための構造は、「トラック」と「セクタ」から構成されている。データはセクタ単位に記憶されます(セクタ方式)。読み書きは、磁気ヘッドとディスク面は接触して行う。

磁気テープ、DDS(DAT)
ポリエステルなどの細長いテープの表面に磁性体塗料を塗布したもの。
磁気ディスクと同様、磁化の向きで情報を記録する。
速度が遅く、データを必ず先頭からアクセスしなければならない(部分的な書き換えができない)などの欠点がある。
磁気ディスクのバックアップ用として利用されることが多い。
オープンリールテープやカートリッジテープがある。
最近では、PCサーバなどのバックアップとして、もともと音楽用であったDAT(Digital Audio Tape)をコンピュータ用に規格したDDSとよばれるテープもよく利用される。
DDS(Digital Data Storage)ドライブはVTRデッキやDATデッキと同じく回転式(ヘリカルスキャン)ヘッドを使用してデータを記録する。回転式ヘッドには二つの記録ヘッドと二つの読み取りヘッドがあり、読み取りヘッドはそれぞれでデータを確認する。エラーが存在した場合記録ヘッドで訂正を行う。容量は1.3GB~80GBである。
磁気テープのうちアクセス時に連続的にテープを走行させる「ストリーミング」方式を採用した補助記憶装置のことをストリーマと呼ぶ。

光磁気ディスク(MO:Magnet-Optical disk)
書き換え型の光ディスク。
データの読み出しだけでなく、データの消去、書き換えも可能である。
書き込みは磁気ヘッドとレーザー光の両方で行い、読み出しはレーザー光だけを使う仕組みになっている。
3.5インチと5インチのサイズがあり、現在では、3.5インチが主流です。容量は現在128MB、230MB、540MB、640MB、1.3GBなどがあり、主流は640MB。
もともとMOにおけるデータの書き換えは、まず書かれているデータを消去したあとに書き直すようになっているが、最近では消去せずに直接上書きすることでデータの書きこみ時間の短縮を実現したダイレクト・オーバー・ライト(OW)という方法に対応したものもある。
トラックはCDと同じで1本で渦巻状。

SSD(ソリッドステートドライブ) 】(Solid State Drive)
記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置。ハードディスクドライブ(HDD)と同じ接続インタフェース(ATAなど)を備え、ハードディスクの代替として利用できる。フラッシュメモリドライブとも呼ばれる。
SSDはハードディスクのようにディスクを持たないため、読み取り装置(ヘッド)をディスク上で移動させる時間(シークタイム)や、目的のデータがヘッド位置まで回転してくるまでの待ち時間(サーチタイム)がなく、高速に読み書きできる。また、モーターが無いため消費電力も少なく、機械的に駆動する部品が無いため衝撃にも強い。


  [ 例題 ] 
  1. 平成20年度春期 問22  ストリーマ テープドライブ
  2. 平成20年度秋期 問22  CD-R
  3. 平成17年度秋期 問24  CD-R
  4. 平成16年度秋期 問26  記憶装置
  5. 平成15年度春期 問27  MO
  6. 平成14年度春期 問26  CD-ROM
  7. 平成14年度秋期 問23  DVD
  8. 平成13年度春期 問25  CD-R
  9. 平成13年度秋期 問26  光磁気ディスク
  10. 平成13年度秋期 問59  フロッピーディスク


     

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