基礎理論 - 1.基礎理論 - 3.情報に関する理論 - 8.人工知能

Last Update : April 12 2021 22:26:11

     

a. 人工知能(AI:Artificial Intelligence)

人間の知的営みをコンピュータに行わせるための技術のこと、または人間の知的営みを行うことができるコンピュータプログラムのことである。
コンピュータが人工知能と呼ばれるには、人間が用いる自然言語を理解したり、論理的な推論を行うことができたり、経験から学習して応用することができたり、といった知的で発展的な作業をこなすことが要求される。

人工知能には3つのカテゴリーがある。

  1. 知識ベース型
    エキスパートシステムのように、専門家の知識・経験などをデータベース化し、これを使って解を見いだすもの。
    知識ベースの情報を元に推論する方法を推論エンジンと呼ぶ。
  2. ファジイ型
    結論をはい・いいえの2択ではなく、相対的な確かさを確認しながら最適解を見いだすもの。
  3. 学習型
    いままでに入力された条件やその処理によって得られた結果を学習して、同じような結果や条件の場合にその処理を実現するもの
    これを応用して、人間が普段行っている認識や記憶、判断といった機能をコンピュータに処理させる仕組みをニューラルネットワークと言う。

シソーラス
語句を意味的に分類し,類義語,反義語,上位語,下位語などの関係を記述した辞書またはデータベース。コンピューターの自然言語処理においても利用され,情報検索システムなどで人間が入力した検索語を,シソーラスを用いてあらかじめ用意されたキーワードに変換したり,専門用語を含む文を解析する際にシソーラス内の語義を参照したりする。

知識工学 】 (knowledge engineering)
人間の知的作業を機械に代替させる人工知能の応用を、さまざまな角度から研究する学問。ロボット、自動プログラミング、自然言語処理、エキスパートシステムなどに応用される。KEと略される。ナレッジエンジニアリング。

ディープラーニング 】 (Deep Learning)
ディープラーニングとは、十分なデータ量があれば、人間の力なしに機械が自動的にデータから特徴を抽出してくれるディープニューラルネットワーク(DNN)を用いた学習のことです。
DNNとは、ニューラルネットワーク(NN)というパターン認識をするように設計された、人間や動物の脳神経回路をモデルとしたアルゴリズムを多層構造化したもの。
ディープラーニング自体がAIというわけではなく、人工知能の要素技術の1つです。深層学習とも呼ばれます。
ディープラーニングで可能なことして、以下のようなものがあります。
まず入力するデータの種類別に、以下のように分類できます。

  1. 画像認識
    画像や動画を入力とし文字や顔などの特徴を認識・検出する技術です。 背景から特徴を分離抽出しマッチングや変換をおこない、目的となる特徴を特定し認識します。
    例: Facebookのタグ付け(顔認証)、自動運転、感情分析など

  2. 音声認識
    音声を認識させる技術です。人間の声を認識してテキストに出力したり、音声の特徴をとらえて声を出している人を識別したりできます。
    例:iPhoneの「Siri」のような音声入力など

  3. 自然言語処理
    人間が日常的に使う自然言語(書き言葉・話し言葉)をコンピューターに処理・理解させる技術です。
    例:銀行のコールセンターでの問い合わせ対応、文書要約、機械翻訳など

  4. 異常検知
    産業機器などに取り付けられたセンサーなどの時系列データから異常の兆候を感知する技術です。
    例:工場内の監視(故障や異常動作の検知)など

汎化
汎化とは、過去の知識やデータから未来の状況について正しく予測し,最適な判断を下すことである.


機械学習
機械学習とは、コンピューターを大量のデータで学習させ、その経験から分類や予測などを処理するアルゴリズムやモデルをコンピュータが自動的に構築する技術です。 機械学習には3種類の手法があります。一つは既知の入力データと出力データを用いてモデルを訓練し、将来の出力を予測できる「教師あり学習」。もう一方は、入力データの隠れたパターンや固有の構造を見出す「教師なし学習」といいます。残りの一つは「強化学習」と呼ばれ、教師あり学習のなかでも、コンピューターの出力に点数をつけることによって、より点数の高い(価値の高い)出力を学習させる方法です。望ましい結果には報酬を与えることによって、機械によりよい出力を覚えさせることができます。注目を集めているディープラーニングは教師あり学習、教師なし学習どちらでも応用可能な、機械学習に含まれるアルゴリズムの1つです。


  [ 例題 ] 
  1. 平成29年度秋期 問74  ディープラーニング
  2. 平成20年度春期 問37  エキスパートシステム
  3. 平成17年度春期 問29  シソーラス


     

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