企業と法務 - 23.法務 - 5.標準化関連 - 4.ソフトウェアの標準

Last Update : January 02 2021 16:00:53

     

a. ソフトウェアの標準

オブジェクト指向プログラミングの基盤となる標準

CORBA
Common Object Request Broker Architectureの略。
オブジェクト指向技術を使って、ネットワークに接続したそれぞれのマシン上のアプリケーション(オブジェクト)を連携させるための標準仕様のこと。WebサービスやSOA(サービス指向アーキテクチャ)が一般化するまでは、複数のアプリケーションを連携させるための技術の本命だと思われていた。
アプリケーション・レベルの通信プロトコルを標準化しているため、異なるOSで動作するアプリケーション間で通信が可能。手続き型プログラミングでの「プロシジャ・コール」に相当する、オブジェクト指向技術での代表格とも言える存在で、オブジェクト指向技術の標準化団体、米OMG(Object Management Group)が仕様を策定している。
CORBAではオブジェクト間のメッセージのやり取りを、ORB(Object Request Broker)と呼ぶ機能が管理する。オブジェクトはORBを介してメッセージを送受信したり、処理結果を返す。ORBがオブジェクトの物理的な位置や名称を管理するので、オブジェクトはメッセージの送り先のオブジェクトがどこにあるかを指定しないで済む。セキュリティやトランザクション処理、排他制御、オブジェクトの削除や移動などのサービス機能も提供する。
1999年11月に策定されたCORBA 3(3.0)では、新たにコンポーネント・モデルを追加。これにより、コンポーネント(ソフト部品)を組み合わせてシステムを開発できるようになった。

CORBAは、OMGの制定するOMA(Object Management Architecture)と呼ばれるアーキテクチャを基盤とする。OMAは以下の3要素により構成される。

  1. ORB(Object Request Broker): ORBはCORBAの最も基本となる要素であり、オブジェクトバスと呼ばれる。ORBを用いることで、ネットワーク上に分散した各オブジェクトはローカル、あるいはリモートのオブジェクトに対して透過的にアクセスすることが可能になる。
  2. CORBA サービス: CORBAサービスとは、ほとんどのアプリケーションで必要とされるシステムレベルのサービスの集合であり、ORBの機能を拡張し、補うもの。代表的なものにネーミングサービス(オブジェクトに対し名前でアクセスする)、イベントサービス(オブジェクト間のイベント送受信を行なう)などがある。
  3. CORBA ファシリティ: CORBAファシリティはCORBAサービスよりも抽象度が高く、アプリケーションに近い上位のサービス群のこと。CORBAファシリティは、様々なアプリケーションに適用可能な水平型と、特定の産業分野(ドメイン)に特化した垂直型の2つに分類することができる。

CORBAは、あらゆるオブジェクトのインタフェースをIDL(Interface Definition Language)と呼ばれるインタフェース定義言語で定義する。このIDLの存在により、異機種異言語相互運用性(様々なプログラミング言語、プラットフォームにおける透過性)を達成している。この異機種異言語相互運用性こそがCORBAの持つ最も大きな特徴である。 

EJB ( Enterprise Java Beans )
Java Beans仕様と同様のものを、ネットワーク分散型ビジネスアプリケーションのサーバサイドで実現した仕様のこと。セキュリティ機能などを備える。SunがJ2EE仕様の中でビジネスロジックをモデル化するために作成した。Webサーバなどで実装されている。
EJBは、以下の三つに分けられる。

  • Session Bean セッションを保持し、一時的なロジックを保存するオブジェクト
  • Entity Bean 永続的なデータを保存するオブジェクト
  • Message Driven Bean 非同期処理の記述など



     

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