Last Update : January 02 2021 16:00:51
a. QC七つ道具
品質管理とは、製品の品質や機能が目的の水準に達するように、設計・製造・配送などを管理すること。製品の品質を決める特性を、品質特性という。また、要求される品質を実現する機能・職能・業務を系統的に段階的に細分化していくことを品質機能展開(QFD:Quality Function Deployment)という。
管理を行うにあたり、現象を数値的、定量的に分析するための技法。いずれも、視覚的に表すことで誰でもすぐに問題点がわかったり、説明を容易にすることを狙っている。
QCは品質管理手法と呼ばれるが、代表的なものに定量分析手法のQC七つ道具、定性分析手法の新QC七つ道具がある。
- 特性要因図
特性(結果の善し悪し、解決すべき課題)と、それに影響を与えるさまざまな要因の関係を系統的・階層的に整理した図。特性がはっきりと絞り込まれているとき、それを防止するための管理項目を検討したり、発生原因を追及したりするために使われる。
- パレート図
品質不良の原因や状況を示す項目(不良品数や損失金額など)を層別して値の大きい順に並べた棒グラフで表し、その累積百分率(構成比)を折れ線グラフで示した図のこと
【 ABC分析 】
ABC 分析は、A,B,C の3つのグループに分けて分析する。Aグループは売れ筋、Bグループは一般的な商品、Cグループは不人気の商品に分ける。
売上高の高い順に並べて、それらを合計していき、
売上高の上位 70% までに入る商品をAグループ、90% までに入る商品をBグループ、100%までに入る商品をCグループとする。ABC 分析は、A,B,C の3つのグループに分けて分析する。Aグループは売れ筋、Bグループは一般的な商品、Cグループは不人気の商品に分ける。
A グループの商品は、少量の売上の変動で売上額の増減に大きく影響を及ぼすので、きめ細かく在庫を管理するようにする。
- ヒストグラム
度数分布グラフの1つで、データを任意の区間・階級に区分し、各区間のデータの数を長方形の大きさで示したグラフのこと。資料におけるデータ分布の傾向(ばらつきや偏り具合)把握や異常値の発見に便利である。
- 散布図・相関図
散布図とは、相互に関係があると思われる2種類のデータをそれぞれ縦軸と横軸にとって対応点を打点して作成したグラフのことである。散布図を使うことによって、対応物の特性とその変動要因の関係性や特性と他の要因との関係性が把握できる。基本的に対応点が右肩上がりの場合、正の相関で、右肩下がりの場合、負の相関である。
- チェックシート
チェックシートとは、項目の確認を目的として簡単に結果が分かるように表した表のことです。チェック項目にチェックマークを入れることでデータの累計回数、抜け落ちを調べるのに使われます。
- 層別
機械別、原材料別、作業者別などのようにデータの共通点や特徴に着目して同じ共通点や特徴をもついくつかのグループ(層)に分けることをいう。層別の目的は、層による何らかの違いを見つけることである。この違いを見つけることで、ばらつきの原因を突き止めることができる。
- 管理図
製造工程が統計的管理状態にあるかどうかを判断するためのグラフです。
製品の品質特性値はバラツクのが普通ですから、管理図は品質特性値のバラツキが異常原因(見逃せないバラツキ)か偶然原因(許しえるバラツキ)かを判定するためのツールになります。
管理図は折れ線グラフに、2本の管理限界線(UCL、LCL)と1本の中心線を記入して作成します。品質特性値にくせがあったり、管理限界線の外に出たりすれば、異常原因があったことを示します。
計量値の管理図は、以下の種類があります。
-R管理図:平均値と範囲
-s管理図:平均値と標準偏差
Me-R管理図:中央値と範囲
-Rs管理図:個々の値と移動範囲
●誤り
管理図において、偶然原因による誤りを異常としてしまうことを「第1種の誤り」と言い、逆に工程に異常が発生しているにもかわらず、管理限界線内に打点されているため異常なしと判断してしまうことを「第2種の誤り」と言います。
- 正常
実測値は管理中心線を挟んで上下に交互に現れる状態が安定状態
- 実測値が管理限界を超えている
実測値が上方管理限界や下方管理限界を超えていると異常と判断できる。
- 実測値が一定の周期を示す
一連の実測値が一定の周期で変動している場合、異常と判断できる。
- 実測値の変動が大きい
実測値に大幅な変動がある場合、異常と判断できる。
- 6個以上の実測値が続けて管理中心線の上または下に現れる
6個以上の一連の実測値が続けて、管理中心線の上方または下方に現れた場合、異常と判断できる。
- 実測値に一定の傾向が表れている
一連の実測値が上昇傾向または下降傾向が一定期間続けて現れた場合、異常と判断できる。
b. 新QC七つ道具
QC七つ道具が定量的な現象分析を狙うのに対し、新QC七つ道具は定性的な分析を狙う。
問題の構造を早期に明らかにすることが狙いである。
- 連関図法
問題の発生要因がたくさんあり複雑に絡みあっているときに、図解により因果関係を明確にして、重要な要因を定めるための手法です。
連関図はこのように問題に関係する多くの要素を「原因―結果」もしくは「目的―手段」の関係に整理して図解するものです。
また原因の探索のみならず、解決テーマの設定においても、問題に多くの要素が関係している場合、「目的 ―手段」の関係に明らかにすることで、最適なテーマの設定が出来るようになります。
- 親和図法
KJ法の別名
未知、未経験の分野の問題など、もやもやとしてはっきりしていない問題について事実、意見、発想を言語データとしてとらえ、それらの相互の親和性(良く親しみ合う、混ざり合う)によって統合した図を作ることにより、解決すべき問題の所在・形態を明らかにしていく方法。
- 系統図法
目的・目標を達成するための手段・方策を系統的に(目的-手段,目的-手段と)展開することにより、問題(事象)の全容を与えて問題の重点を明確にしたり、目的・目標を達成するための最適手段・方策を追求していく方法。系統図は把握した原因を取り除くための対策を具体化する段階で有効。
- マトリックス図法
問題としている事象の中から、対になる要素を見つけ出して、これを行と列に配置し、対要素の交点に各要素の関連の有無や関連の度合いを表示することで、問題の所在や形態を探る。
- マトリックスデータ解析法
マトリックス図における要素間の関連を定量化できた場合、これを計算によって見通しよく整理する方法。
- PDPC
Process Decision Program Chartの略。予測される事態に対してあらかじめ対応策を検討し、事態を望ましい結果に導くための手法。計画を策定する際、計画のスタートからゴールまでの過程や手順を起こりうるいろいろな事態を予測しながら時間の順に従って矢線でつないだ図。
- アローダイアグラム法
計画を推進するのに必要な作業の順序を矢線と結合線を用いた図で表わし、日程管理上の重要な経路を明らかにして効率的な日程計画を作成するとともに、計画の進捗を管理する手法。日程に最も余裕のないルートをクリティカル・パスという。
基礎理論 - 1.基礎理論 - 2.応用数学 - 7.最適化問題 を参照
c. 時系列分析
データ分析の一つで、時系列データ(時間推移に沿って同種データを並べたデータ群)が持つ変動に、ある種の規則性が認められるかどうかを分析するもの。もし変動に規則性が発見できれば、その規則性を元にした将来の予測が可能となり、また規則性に反する変動が現れた場合には、特殊要因が影響を与えているのか、または新たな変化の予兆を示している可能性もある。
いいかえると、過去の事象を説明することで、現在の動向を判断し、将来的な予測を行おうとするもの。
【 変動要素 】
時系列変動が持つ変動は、いくつかの変動の合成と考えられており、一般的には、傾向変動、循環変動、季節変動、不規則変動に分けられる。
- 傾向変動
長期にわたる一方的な上昇あるいは下降の傾向を表わす要素を示す。循環変動でも、その同期が15年とか20年とかいった長期的なものも傾向変動として捉えることが多い。変動の根幹を占めるものです。傾向変動を算出する方法として移動平均法や最小二乗法がある。
- 循環変動
周期は一定でないが、周期的に繰り返される上下変動を周期変動と呼び、景気変動などとも呼ばれ、一般に3年から15年くらいで繰返される周期的な変動である。また、この周期の平均は3年から5年くらいであるが、特に波動の長いものは、傾向変動として捉えてもよい。なお、約40ヵ月の波動をキチンの波または在庫循環、10年前後をジュグラーの波、半世紀を超える波動をコンドラチェフの波と呼ぶ。 循環変動は直接算出する手法がないため、時系列変動から傾向変動と季節変動を除去して算出する方法が一般的です。
- 季節変動
通常一年を周期とする規則的な変動を季節変動と呼ぶ。名前から四季の変動を連想しがちですが、半年・四半期・月別・週別を周期とする繰り返し変動も季節変動として考える。季節変動を算出する手法としては、月別平均法、移動平均法、連環比率法がある。
- 不規則変動
三変動以外の変動を指す。天災等の不時の変動や、明確に説明できないような変動が含まれる。
d. 品質機能展開 (quality function deployment (QFD))
日本で開発された管理技法で、その内容は品質展開 (quality deployment: QD) と狭義の品質機能展開 (QFD) の総称である。品質展開は、新製品等の開発に当たり顧客の要求する品質を基に設計品質を決定し、これを実現するためその構成機能・部品の品質を細部部品や工程にまで体系的に図式化して展開し、製造開始前に品質保証を行おうとするものである。
【 品質特性 】
品質特性とは、品質評価の対象となる性質・性能であり、「品質の構成要素」のことをいいます。
また、品質特性は実用特性と代用特性に分けられます。代用特性は計測できる項目を選定することが望まれます。
- 実用特性=真の特性。要求される品質(ニーズ)
- 代用特性=真の特性の要因になるもの(要素)
不良率推定
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