経営戦略 - 20.技術戦略マネジメント - 1.技術開発戦略の立案 - 1.技術開発戦略

Last Update : April 12 2018 09:41:23

     

a. 技術開発戦略の目的と考え方

技術戦略とは、中長期的に市場での競争優位を獲得することを目的として、研究開発を強化すべき分野と縮小すべき分野を明確にし、今後の研究開発の方向性と重点投資分野を決定すること。

MOT 】( Management of Technology :技術経営)
人間の生産活動や社会活動を取り扱う学問分野である。産業界、または社会にあって成立する学問で、主にイノベーションの創出を目的とし、新しい技術を取り入れながら事業を行う企業・組織が、持続的発展のために、技術を含めて総合的に経営管理を行い、経済的価値を創出していくための戦略を立案・決定・実行するものである
技術版MBA。市場に新しい技術で新しいモノ(製品やサービス)を創出するMBAの進化形。研究開発、技術開発、製品化(サービス創出)・製品・製造(開発)という過程、販売やマーケティング、資金調達、人材育成、知財・特許戦略、企業協業などの考え方を学ぶ。

プロダクト・イノベーション
プロダクトイノベーションとは、これまでとは異なった独創的・先進的な新たな製品やサービスを生み出すことによって、競争力優位を図るものです。
プロダクトイノベーションは、企業の競争力の源泉の重要な一要素とされる。

  • 技術主導型・・・技術を中心に据えたプロダクトイノベーション
    独創的で高い技術をもとに革新的な新製品を開発するやり方。
  • ニーズ主導型・・・ユーザニーズに応えることを中心に据えたプロダクトイノベーション
    ニーズに合わせて開発するアプローチである。
  • 商品コンセプト型・・・技術主導型でもなく、ニーズ主導型でもない、商品コンセプトを中心に据えたプロダクトイノベーション
    まずコンセプトありきでそれに必要な技術、部品、素材を開発していくアプローチである。
  • 類似品型・・・先行する独創的な製品を研究し、後追いで開発することで、先行商品とは違う新しい物として売り出すプロダクトイノベーション。リーダー企業が差別化を図るチャレンジャー企業への対応としてよく見られる。

プロセス・イノベーション
ある製品やサービスのプロセス(製造工程、作業過程など)を変革することで、効率化による時間・原価低減や品質を高めるなどで競争力を高めるものです。


b. 技術開発戦略の立案

技術開発戦略では、市場の製品動向や技術動向などを分析し、自社にとって有用な競争力のある技術(コア技術)を確認し、これに基づく技術研究を行う。
自社だけでは十分に技術を生かしきれない場合は、外部の企業や組織と連携して共同研究を行うことも検討する。
外部から技術獲得する手法には以下のようなものがある。

  • 技術供与
    他の企業に自社の技術を有償または無償で提供すること。
    技術供与は、片方からのみ技術を提供する。
  • 技術提携
    お互いの企業が相互に自社の持つ技術を提供しあうこと。他方の企業に、有償または無償で技術を提供したり、共同で新規の技術を開発したりすること。
  • 技術移転
    自社の持つ技術を他へ移すこと
  • 産学官連携
    企業と大学と官庁などが技術開発で相互に連携していくこと。

技術開発をおこなう場合に、すべての技術を独自の技術にしてしまうと、今までの技術との連携が取れなくなる場合があり、良い技術であっても普及できなくなってしまうことが考えられる。 そのため、できるだけ国際的な標準や国内標準の技術は、そのまま使用し、その技術に独自技術を組み合わせて競争力を高めて、他社との差別化を図ることが重要。 この標準技術を活用していく方法を標準化戦略という。

TLO 】(Technology Licensing Organization)
大学や国立研究所の研究成果を企業に技術移転して事業化を目指す機関。事業化によって得た収入を新たな研究資金に充てることを目指す。
1998年8月に大学等技術移転促進法(TLO法「大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律」)が施行され、国もTLO(技術移転機関)の設立を支援している。
TLOの主な役割は、大学や研究所が開発した技術などを特許化し、企業にライセンスを供与すること。民間企業に新規事業を創出し、その収益の一部を特許料収入として大学の新たな研究資金に充てる。このほか、「国などが募集する公募型の共同研究に応募したい」「大学の研究者と技術的な課題を解決したい」といった民間企業からの依頼に対して、適切な研究者を紹介することもTLOの役割。いわば大学と産業界の橋渡し役です。
TLOには、「承認TLO」と「認定TLO」の2種類がある。
承認TLOは、個人が持つ特許を取り扱うことが特徴で、経済産業省と文部科学省がTLO法に基づき事業計画を承認する。現在、37の法人や団体が承認TLOとなっている。1つの大学で設置したTLOのほかに、規模の小さい大学が連携してTLOを設置しているケースもある。
これに対して認定TLOは、国立大学や国の試験研究機関が持つ特許を取り扱う。研究機関を管轄する省庁が認定する。例えば、厚生労働省の認定TLOである「ヒューマンサイエンス技術移転センター」は、同省の国立研究所の技術を扱う。
TLOの認定を受けると、出願する特許料の減免や助成金の交付などが受られるメリットがある。


  [ 例題 ] 
  1. 平成21年度春期 問71  TLO
  2. 平成23年度秋期 問71  プロダクトイノベーション


     

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