経営戦略 - 19.経営戦略マネジメント - 1.経営戦略手法 - 2.全社戦略

Last Update : April 12 2018 09:41:22

     

a. 全社戦略

多くの事業を傘下に持つ企業が、その各々の事業の戦略(事業戦略)以外に、より高いレベルで持続的な競争上の優位性を確立するために行うべき方針の決定。 具体的には、企業がどの事業領域(事業ドメイン)で戦い、どのような事業の組み合わせ(事業ポートフォリオ)またはコアコンピタンスを持ち、それらの事業の間でどのように持てる資源を配分するかを選定する。 全社戦略は、企業の経営プロセスの中ですり合わされて作成されていく。経営理念やビジョンの下に全社戦略が策定され、それが個別の事業戦略に分解されていくという下への流れと同時に、個別の事業戦略の策定から全社戦略の可能性が拡大したり、全社戦略の変更がビジョンに影響を与えたりといった上への流れもある。これを繰り返す双方向的なプロセスとなる。

CS経営 】( Custmer Satisfaction :顧客満足)
CS経営は「お客さま満足を組織的、計画的に、創りつづけ、リピータを増やす経営のこと。CS( Custmer Satisfaction :顧客満足)とは顧客が購入・利用した商品やサービスに、満足している度合いのこと。
マーケティング活動のゴールは、継続的に顧客に支持され、長期的に利益をもたらす顧客を作ることである。
顧客満足は、このゴールを達成するために必要な要素である。既存の顧客にリピートされるためには、「もう1回利用したい」と思わせるようなサービスを提供することが必要である。そのようなサービスを追求した結果、顧客は満足し、再び製品・サービスを利用しようという行動を起こしてくれる。顧客満足の向上はまた、口コミの増加や、価格維持などの効果をもたらす。
現在のように、市場に製品・サービスが溢れ、競合との競争が激しくなる中で、継続的に支持されるためには、既存の顧客から支持を得ることが必須であり、「顧客ニーズはどう変化しているのか。顧客満足を高めるためにどうすればよいか」を考えることが求められている

グループ経営
グループ経営とは、資本関係にある親子会社などが企業グループとしての意思決定を統一化し、組織目的を実現していくための経営手法です。また、元来は独立した複数の企業が一体となってグループを構成し、取引拡大や付加価値の向上を図っていくグループ経営もあります。通常、こちらは「ネットワーク経営」などと呼ばれています。

コアコンピタンス経営
コアコンピタンス経営とは、自社の中核(コア)となる強み(コンピタンス)を明確化して、企業の独自性と競争優位を確立する経営手法のこと。
コアコンピタンスとは、顧客に対して価値を提供する企業内部の一連のスキルや技術の中で、他社がまねできない、その企業独自のスキルや技術の集合体のこと。競合他社に対しては、経営戦略上の根源的競争力につながるものであり、他社との提携などの際に相手に与える影響力や業界イニシアティブの強弱のキーともなる。
コアコンピタンスは具体的なテクノロジや特定の製品やサービスの上位に置かれる概念で、製品・サービス、技術、資産、インフラストラクチャ、ビジネスユニットなどに代わる経営資源のとらえ方の1つといえる。
コアコンピタンスに経営資源を集中し、不得意分野について外部資源を活用(アウトソーシング)する経営戦略を「コアコンピタンス戦略」という
コアコンピタンスを見極める場合、模倣可能性(Imitability)、移動可能性(Transferability)、代替可能性(Substitutability)、希少性(Scarcity)、耐久性(Durability)の5つの点について考える必要がある。どの要素が有効かは市場環境や競争環境によっても異なり、またいったん築いた競争優位も、市場環境の変化とともに陳腐化する恐れがあるため、継続的な投資やコアコンピタンスの再定義、新たな能力の育成などの努力も欠かせない。

多角化経営
既存事業の周辺事業分野、または関係のない新たな事業分野に進出することによって企業の成長・拡大を図る経営手法。
多角化にはコアコンピタンスを生かして、その周辺事業へ進出する関連多角化とまったく関係のない分野へ進出する非関連多角化がある。
関連多角化は、既存事業のコア・コンピタンス(技術やノウハウなど)を共有することで、既存事業の周辺で事業を多角的に展開していく戦略のこと。事業規模の拡大による生産効率の向上や、研究開発・生産技術等の有効的活用という利点を持っている。
非関連多角化は、既存事業とは関連性がない(もしくは低い)事業に進出することで成長していく戦略のこと。複数の事業を持つことによるリスク分散という利点を持っている。
多角化と企業業績の関係について、多くの実証研究では、既存事業との関連性が高い事業へ多角化するほうが、既存事業との関連性が低い事業へ多角化するよりも、シナジー(相乗)効果により高い収益性をもたらすことが示されている。

a. 全社戦略の手法

アウトソーシング
自社の業務や機能の一部または全部を、それを得意とする外部の企業などに委託すること。
経営資源を補完する方法の1つ。
アウトソーシングは、かつては元請けや下請けのような上下関係によるものや、周辺業務に限られていた。しかし最近では、人事や経理などの管理業務から、製造、物流、研究開発、営業販売に至る幅広い機能を外部の専門機関に委託する企業が増えている。そこには、コスト削減効果はもちろんのこと、自社で行うよりも高い付加価値が享受できるという戦略的判断が働いている。
その一方で、外部資源の利用には、情報流出のリスクや、社内にノウハウが蓄積されないといったデメリットも存在する。経営のスピードや高い効率性が求められる競争環境においては、自社に必要な機能や能力を十分に見極めることと、メリットとデメリットを考慮しながら外部資源の有効利用を考えることが重要。

M&A 】( Mergers and Acquisitions )
企業の買収・合併を指す。買収は他の企業を丸ごと買い取ること、合併は複数の企業が法的に1つの企業に合同することである。
ゼロから独自に事業を作り上げる時間を買い、自社のビジネスとの相乗効果を発揮させ、競合に対する優位性を早期に確立することが、M&Aの主な目的である。昨今、M&Aが増えてきた背景には、企業間競争の激化や、諸外国との競争も展開される中、昔のように自社の競合に対する優位性を作り上げる時間がなくなったことが挙げられる。
また、90年代に持株会社が認められてからは、事業単位での吸収・合併が行われやすくなった。さらに近年の新会社法により、三角合併(消滅会社の株主に対して、存続会社ではなく、親会社の株式を交付する合併)が認められたことは、グローバルなM&Aを加速させている。

アライアンス
複数の企業が互いに経済的なメリットを享受するために、緩やかな協力体制を構築すること。
1つの企業に統合する必要があるM&Aに比べて、時間・資金をそれほど要することなく進めることができ、思惑が外れた場合の解消も容易にできる点で異なる。ただし、緩やかな結びつきであるために、アライアンスを構築した後のコントロールは各企業に委ねられ、シナジー(相乗効果)が当初想定したほど発揮されない場合もある。
企業にとって、ヒト・モノ・カネの資源は有限であり、経営者は、限られた資源を有効に使って企業価値を最大化することを求められている。有限資産であるヒト・モノ・カネを有効に使うために、異なった競争優位性を持った強者同士が組む戦略的提携(strategic alliance)はお互いの独自性を維持しながら技術面、生産面、販売面などで補完することができるために成功する確率が高くなる。
以前は、IT・電機・通信・金融など競争が激しい業界を中心として、アライアンスが活発であったが、株式交換などが活発になるにつれて、多くの業界においてアライアンスが展開されている。

シェアードサービス
複数の組織で共通的に実施されている業務(特に間接部門)を、個々の組織から切り離して集中・統合して別会社として独立させ、それぞれの企業(通常はグループ企業)で共有してサービス提供を受けることで、経営の効率化を目指す経営手法のこと。シェアドサービスともいう。
規模化およびサービスの標準化、独立事業体化によってコスト削減や生産性の向上を図られるとともに、専門化によりサービスの向上が期待される。

ベンチャービジネス
それまでに無かった新しいサービス・ビジネスを新技術や高度な知識を軸に、小さな企業が展開することをいいます。


  [ 例題 ] 
  1. 平成13年度春期 問54  アウトソーシング
  2. 平成21年度春期 問75  M&A
  3. 平成24年度春期 問68  コアコンピタンス経営


     

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