サービスマネジメント - 15.サービスマネジメント - 3.サービスマネジメントプロセス - 8.供給者管理

Last Update : January 02 2021 16:00:40

     

a. 供給者管理
供給者管理,契約,運用レベル合意書(OLA)

この供給者管理とは、サービスの一部を外部へ委託している委託先企業(適用範囲外の別組織)を適切に管理することです。
目的は、顧客(利用者)に提供するサービスやサービスレベルが、委託先企業(組織)のミスや事故により、SLA違反やサービス停止が起こらないようにするため、そして責任の所在を明らかにするために、委託先企業(組織)をしっかり管理することです。
ISO20000のサプライヤ管理がISO9001の購買管理に類似している部分は次の通りです。
・ 外部委託を管理するプロセスの文書化(購買プロセス)
・ 外部委託管理のやり方(購買プロセス)
・ 委託先企業と結ぶ契約に含めるべき要求の明確化(購買情報)
・ 委託先企業の評価、選定、再評価のやり方(購買プロセス)
・ サプライヤの検証(監視)(購買製品の検証)
ただし、IS2O0000の契約に含めるべき要求事項では次の二点を考慮する必要があります。
(1) 顧客と結ぶサービスレベルを保つことができるサービス品質の要求を含めること。
(2) ISO20000で要求されている、契約に含める事項を購買情報に必ず含めること。
その他、ISO20000では「委託先企業との担当契約マネージャの任命」と「契約に関するプロセスの確立」も要求されており、その中でも特化されているのは契約関連のプロセスになります。
SLA中心の規格であるため、契約行為に関しては、詳細な要求事項があります。
例えば、「契約を通常終了するプロセスと早期終了するプロセスを定めること」「契約内容を社内で変更する方法を定めること」「契約上の紛争が起きた場合のプロセスを定めること」などです。
また、委託先企業(組織)が再委託をしている場合も、再委託先企業の管理方式の明確化や責任の明確化が要求され、SLA違反に対するリスクヘッジのための要求事項が盛り込まれています。
ただ、現状では、当たり前のように実施している企業も多いので、この部分に関しては、会社で定める契約書や規定で実現できているかどうかを確認し、できていない部分に関してはルールを定めるとよいでしょう。ISO9001の購買管理の考え方も参考にしてください。
最後に、サプライヤ管理で対象とする委託先企業(組織)についてですが、SLAに定めるサービスやサービス品質に関わる委託先企業(組織)がよいでしょう。ここも、ISO9001の購買管理での考え方が参考になります。



     

www.it-shikaku.jp