事業関係管理は、サービス提供に関係する関係者を識別して、適切なサービス提供と対応を行うことです。
対象は、顧客及び利害関係者(利用者など)になります。
事業関係管理では以下のようなことが求められている。
この中で、日本の文化では合わせにくい要求があり、実際の業務に組み込んでいくと頭を悩ます項目があります。
それは、「(4)苦情処理プロセスの確立」です。この苦情処理プロセスの確立では、まず最初に「正式な苦情」を定義する必要があります。次に、顧客と、定義した苦情について、合意を得る必要があります。
この要求事項は、事前に、責任を持って対応する苦情を顧客とコミットメントすることで、サービス提供者側は、関係のない苦情に責任を負わないことを目的としています。
この要求事項の実現にあたっては、まず、自社が責任を持って対応しなければいけない苦情とは何なのかを明確にすることが必要です。
その時に、考えることは、自社以外のトラブルや問題で苦情が発生した場合に、自社の責任として範囲に「入れるのか」、「入れないのか」ということです。
例えば、サービスの一部を外部企業に委託していて、その委託業者の担当員の対応が悪く苦情が発生したり、委託業者のインフラが脆弱なため、サービスに影響がでて苦情が発生した場合、その苦情を自社が責任を持って対応すべき苦情とするのか、それとも外部委託業者に責任を持ってもらう苦情なのかを検討します。
苦情の定義が決定したら、次は、合意方法です。
実現例をあげますと、SLAの中に苦情の定義を入れて、SLAの合意とともに苦情についても合意を得るようにしたり、仕様書や運用手順書などがある場合はその中に入れて、顧客の合意を得るなどがあげられます。
また、特に仕様書や運用手順書がない場合には、顧客に対してのSLAやISO20000についての導入説明資料を作成し、その中で苦情体制と銘打って、苦情の定義を入れ、会議で説明し、合意を得るというやり方もよいかと思います。
なかなか、説明しにくい部分ではありますが、「さらに、お客様に安心したサービス提供をする為に、真摯に苦情を受付、対応する体制を構築しました。」と説明していただければ、きっとお客様もご理解されると思います。
合意方法については、現在の顧客との形態(契約のやり方やサービスの提供の仕方)に合わせて、実現方法を検討してください。
その他、(1)(2)(3)などは、現在実施しているやり方をベースに、実現方法を考えると問題ないでしょう。
(5)についても、ISO9001の『8.2.1顧客満足』で要求されていることとほぼ同じですので、ISO9001の参考書などから実現方法を検討するとよいでしょう。
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