サービスマネジメント - 15.サービスマネジメント - 3.サービスマネジメントプロセス - 5.キャパシティ管理

Last Update : January 02 2021 16:00:40

     

a. キャパシティ管理(容量・能力管理)

キャパシティ管理では、システムの容量や性能などを管理し、それらの余裕がなくなってきた場合に、メモリや磁気ディスクの増設、CPUやネットワークの回線の増強をコストを考慮して行っていく。
キャパシティ管理では二つのプロセスが内包されており、ひとつはサービス提供前のサービスに関するキャパシティのコントロール(キャパシティプランニング)。もうひとつはシステム運用時の稼動評価と将来性を見据えたキャパシティのコントロールである。開発するサービスが性能要件を満たす為に必要なリソースやスループットを見積もり、サービスレベルに見合った機能とコストを試算する事、さらに運用が開始されたサービスについて定期的な記録を採り、IT資源の枯渇や応答時間の監視などを行い、サービスレベル維持の為の定期的な拡張やメンテナンスをプランニングしていく為のプロセスとして位置づけられている。キャパシティ管理では費用対効果の高いITサービスの処理能力の提供を目標として以下の目的が掲げられている。

  • 事業計画の理解とキャパシティ計画の立案
  • コストと需要のバランス調整
  • モニタリングによる先行的な対応

キャパシティ
システムを構成するハードウェアやソフトウェア・ネットワークなどの処理能力のこと


b. 管理指標

システムの運用状況を定期的に評価・検証し正しくシステムが稼働できるような仕組みが必要。そのために様々な角度からシステムを評価し、問題点が見つかれば修正しなければならない。

機能性評価指標
システムに求められる機能をどれだけ実装しているかを評価するための指標
システム導入後の改善要求数や要求仕様との差異数などの数値

信頼性評価指標
システムが安定してどれだけ稼働し続けられるかを評価するための指標
平均稼働時間(MTBF)・平均修復時間(MTTR)・稼働率・入力ミスや誤操作の検出率など

使用性評価指標
操作がわかりやすく間違いなく操作できることを評価するための指標
マニュアルの充実・画面のわかりやすさ・操作訓練の時間数など

性能指標
SLAなどで決められた性能をどれだけ満たしているかを評価するための指標
応答時間・ターンアラウンドタイム・スループット・時間当たりのトランザクション数・サービスデスクへかけた電話の平均待ち時間

資源の利用状況に関する指標
システムの資源を有効に利用しているかを評価するための指標
CPUの負荷状況・ネットワーク機器の負荷状況・ストレージやメモリの使用状況・プリンタの使用状況・ソフトウェアの稼働状況など

安全性とセキュリティに関する指標
システムの安全度とセキュリティの機能を評価するための指標
不正アクセス検知件数・不正アクセス発覚から対応までの時間・ウィルス検知件数・アクセスログのチェック間隔など


  [ 例題 ] 
  1. 平成28年度春期 問57  キャパシティ管理
  2. 平成12年度秋期 問31  メモリ使用率


     

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