サービスレベル管理はIT事業者と顧客の間に結ばれるサービスレベルを具体的に維持管理していく為のプロセスである。SLAやSLMといった概念自体はITILが普及する前から知られており、さまざまなガイドラインも各種機関から公表されている。ITILにおけるサービスレベル管理は企業における「事業部門」や「経営部門」と「IT部門」間に設定されるものを第一とし、それらの部門をIT部門に対する顧客と位置付け、実際のサービス利用者をユーザあるいはエンドユーザと位置づけている。サービスサポートプロセスで定義されているインシデント管理などのプロセスがユーザ向けであるのに対し、サービスレベル管理は顧客向けのプロセスである。サービスレベル管理ではSLAをマネジメントすることを第一の目的とし、それを達成する為に以下の目標が掲げられている。
サービスレベル管理ではサービスレベルを定義,合意,記録及び管理するために,次の事項を実施する。
【 SLM 】( Service Level Management :サービスレベル管理)
ITサービスの内容と品質について、ITサービス提供者と利用者の間で合意した内容をSLAとして文書化し、PDCAマネジメントサイクルに基づいてサービスレベルを継続的に維持・改善していく仕組み。
また、これらの活動を定期レビューなどの報告書にまとめ、ユーザへサービスの報告を行う。
【 SLO 】( Service Level Objective :サービスレベル目標 )
サービス提供者が、自社のサービスレベル(サービス品質)に関する目標・評価基準を定めたもの。
合意したSLAを履行するために、サーバーやネットワーク、ストレージなどの各領域の稼働率、性能、可用性、セキュリティ、サポートといった項目ごとに、パフォーマンスの目標値を表したものです。
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