プロジェクトマネジメント - 14.プロジェクトマネジメント - 4.プロジェクトのスコープ - 3.ツールと技法

Last Update : April 16 2021 23:31:37

     

a. WBS

WBS 】(Work Breakdown Structure)
WBSとは、プロジェクトに必要な作業を、具体的な作業スケジュールと進捗が把握可能な単位まで詳細化し、階層構造で表したもの。
スコープマネジメントでは、そのプロジェクトにおいて「何をどこまでやるか」という範囲を決めます。これをスコープ(scope)と呼ぶ。
スコープ定義では、最終成果を得るための中間成果物を明確にし、それを作るための作業へ展開する。これを階層構造図(または表)にまとめたものがWBSとなる。
WBS の最下位レベルの作業項目は、ワークパッケージと呼び、このレベルで様々なマネジメント活動が行われる。

プロジェクト全体を細かい作業に分割し、それらを再構成した表や図の事。ユーザの要件を元にプロジェクトの成果物が明確になれば、成果物を作り出す為の作業を洗い出す事により、具体的な作業のイメージや工数がつかめるようになる。洗い出した作業が具体的な作業イメージにならない場合はさらにその作業を分割し、作業のイメージや工数がつかめるようになるまで分割を続ける。分割した作業を合理的な手順に並べ替え、各作業に担当者を割り当てる事により、このプロジェクトのスケジュールや体制等が明確になる。 WBSを作成する事により、どんなに大きなプロジェクトでも実現可能な作業レベルに落とす事ができるのである。

WBS作成のメリット

  • 重複作業の排除と作業もれの防止
  • 作業内容と作業担当の明確化
  • プロジェクト全体作業の把握
  • コミュニケーションの円滑化と情報共有
  • プロジェクト作業の意義、位置づけの明確化


ワークパッケージ
WBSの最下層をワークパッケージという。ワークパッケージごとに工数や日程、担当、予算などを割り当てることで、スケジュール、コスト、人員配置、リスクなどの管理がやりやすくなる。

WBS辞書
WBSはプロジェクト全体を一目で把握できるように図表を作る手法だが、要素分解のために各WBS要素には簡潔な名称を付けることが推奨されており、その明確な内容と意味をきちんと定義できない。そこですべてのWBS要素(すなわちプロジェクト全体のスコープ)を包括的かつ明示的に定義して、誤解やあいまいさを排除するために作成されるのがWBS辞書である。
WBS辞書には、そのWBS要素の階層レベル、先行WBS要素や後続WBS要素、スケジュール日付、実施に必要な成果物・リソース、作業担当者や実施責任者、管理責任者、承認者、完了条件あるいは完成させるべき成果物(仕様)、予想されるリスク、コストなどが記述される。WBS要素がワークパッケージであれば、そこで実施されるアクティビティの内容を定義し、必要に応じて具体的な手順や制約条件などを記載する。

ローリング・ウェーブ計画法
計画をだんだん細かくしていく計画技法のこと。計画のすべてを詳細に一気に作るのではなく、最初は荒く、プロジェクトが進むに連れて徐々に詳細に立てるという計画技法。
近い将来に完了しなければならない作業をWBSの下位レベルに至るまで詳細に計画しておく、一方、遠い将来の作業は、WBSの比較的上位レベルで計画し、日程が進むに連れて段階的に詳細化を行う。

スコープのクリープ
プロジェクトの途中でプロジェクトの要件が増加することを意味します。
例えばプロジェクトの開始時は1つであった成果物が5つに増えたり、製品の特徴が3つから10に増えたり、またプロジェクトの途中で顧客が求めるニーズが変わり、プロジェクトの要件が変更することなどが挙げられます。
スコープクリープは通常、主要ステークホルダーの要件変更、または社内の不十分なコミュニケーションや意見の対立などが原因で起こります。




     

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