プロジェクトマネジメント - 14.プロジェクトマネジメント - 2.プロジェクトの統合 - 3.ツールと技法

Last Update : April 12 2021 22:26:07

     

a. プロジェクト全体像の把握と管理

プロジェクトマネジメント計画書
各計画プロセスで作成された補助計画書とベースラインを統合、集約したものをプロジェクトマネジメント計画書と呼びます。
プロジェクトの統合の計画プロセスなので、各計画プロセスで作成されたベースラインや計画書をまとめ(統合)、さらに各計画書の使用場面や使用方法を記述した計画書を作成します。 バラバラに作られた計画書を1つにファイリングするイメージが、プロジェクトマネジメント計画書作成プロセスです。

  • スケジュール・ベースライン(プロジェクトベースライン)
  • コスト・パフォーマンス・ベースライン(プロジェクトベースライン)
  • スコープ・ベースライン(プロジェクトベースライン)
  • スコープ・マネジメント計画書(スコープ・マネジメント)
  • 要求事項マネジメント計画書(スコープ・マネジメント)
  • スケジュール・マネジメント計画書(スケジュール・マネジメント)
  • コスト・マネジメント計画書(コスト・マネジメント)
  • 品質マネジメント計画書(品質マネジメント)
  • プロセス改善計画書(品質マネジメント)
  • 人的資源計画書(人的資源マネジメント)
  • コミュニケーション・マネジメント計画書(コミュニケーション・マネジメント)
  • リスク・マネジメント計画書(リスク・マネジメント)
  • 調達マネジメント計画書(調達マネジメント)


ベースライン 】(プロジェクト・ベースライン)
ベースラインとは、プロジェクトの進捗管理における判断基準となるものです。
ベースラインには以下の3種類が定義されています。

  1. スコープ・ベースライン
    スコープの基準で、プロジェクトの目標となるベースライン。
    以下の3つで構成されます。
    ・スコープ記述書
    ・WBS
    ・WBS辞書
  2. コスト・パフォーマンス・ベースライン
    予算を時系列に配置した支出計画。 予算を時系列で配置すると、S字にプロットされるため、「S字カーブ」と呼ばれます。 また、この予算には「コンティンジェンシー予備費」を含みますが、「マネジメント予備費」は含みません。
  3. スケジュール・ベースライン
    スケジュール・データから確定したスケジュールをいいます。

プロジェクト作業範囲記述書 】(SOW:Statement of Work)
プロジェクト作業範囲記述書はSOWとも呼ばれ、PMBOKでは「プロジェクトが提供するプロダクトやサービスを記述した文書」と定義されています。
組織の内部プロジェクトの場合は、イニシエーターやスポンサーが作成しますが、組織の外部プロジェクトの場合は、顧客が作成します。
SOWには以下の項目を盛り込むことと記述されています。

  1. ビジネス・ニーズ
    組織のビジネス・ニーズは、市場の需要、技術的進歩、法的要件、国家の規制などが基になります
  2. 成果物スコープ記述書
    プロジェクトが生成する成果物の特性を文書化したもの。プロジェクトが取り組むビジネス・ニーズとの関係も記述されます。
  3. 戦略計画
    組織の目標達成とプロジェクトの整合性を明確にする


b. 統合変更管理

プロジェクトは、開始から終了まで、様々な理由で、変更が発生します。その変更を一手に引き受けるのが、統合変更管理である。
 要求された変更だけでなく、提案済み予防処置、提案済み是正処置、提案済み欠陥修正などを受領し、プロジェクトマネジメントチームによる検討や、変更管理委員会など専門家の判断を経て、承認済み変更要求、承認済み是正処置、承認済み予防処置などを管理するプロセス。

統合変更管理
プロジェクトを計画に従って実行していく途中には、様々な要因から計画通りに進まないことがある。そのために決定したことを変更しなければならない。しかし、その変更をその場で変更していくことは、他の部分との整合性が取れなくなる場合がある。
そのため、全体的観点から変更の処理を管理する必要がある。また変更手順を取り決めておく必要がある。

変更要求の種類には、

  • 是正処置
  • 予防処置
  • 欠陥修正

がある。

まず、変更が発生すると、変更対象となる事柄について、差異分析を行い、原因を特定し、計画を再評価する。すぐに処置ではなく、まずは分析を行う。
その後、具体的な変更要求提起されます。変更要求には「欠陥修正」「予防処置」「是正処置」の3種類がある。
その後、変更要求は承認フローに回され、変更管理委員会などの承認後、ステークホルダーへその旨が、連絡・伝達されることとなる。
最後は、実行プロセス群にて、実行され、変更要求に対する更新がおこなう。

CCB ( Change Control Board :変更管理委員会)
プロジェクトにおけるスコープ・スケジュール・予算などの変更要求に対して、承認・拒否を決定する組織。プロジェクト最終承認者・プロジェクトマネージャ・ステークホルダなどで構成される委員会のこと。


     

www.it-shikaku.jp