概念設計では、データベースによって管理の対象とするものを現実の世界から抽出して概念モデルを作成します。概念モデルは、最終的にリレーショナルデータベースでデータを管理するとしても、特定のデータモデルを意識して作成するものではありません。 概念モデルの作成にあたっては、E-Rモデル(実体参照モデル)がよく使用されます。E-Rモデルでは、その名のとおり、実体(エンティティ)と関連(リレーションシップ)によってモデルを作成していきます。実体は現実の世界を構成する実体そのもの(業務でその情報を必要とする対象物である人、物、場所、事象を表す。)、関連は実体間のつながりを表現します。また、実体や関連は属性(アトリビュート)を持つことができます。
エンティティ(実体)間の関連には、
がある。この対応関係をカーディナリティと言う。
論理設計では、概念設計によって作成された概念モデルを、特定のデータモデルに対応した論理モデルに変換します。したがって、リレーショナルデータベースによってデータを管理するのであれば、E-Rモデルからリレーショナルモデルを作成していきます。
E-Rモデルからリレーショナルモデル、つまり、テーブル(リレーション)への変換は機械的に行うことができます。しかし、そのままテーブルに変換しただけでは、リレーショナルモデルとして適切な形式にならない場合があります。
そこで、論理設計ではテーブルをリレーショナルモデルとして適切な形式に変換する作業(正規化)を行います。テーブルを正規化することによってデータの冗長性や不整合の発生を減少させることができます。
また、論理設計では、E-Rモデルにおける属性をテーブルの列(フィールド・項目)としてデータ型を決定し、テーブルや列に対して制約を定義するといったことも、この段階において行います。
【 制約 】
制約とは、テーブルに収めることのできる値を制限するもの。制約を定義して、入力されるデータに規則を適用することでテーブルのデータを正確に保つことができる。
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