技術要素 - 7.ヒューマンインタフェース - 2.インタフェース設計 - 2.コード設計

Last Update : January 02 2021 16:00:23

     

a. コード化の目的

システムの処理を容易にするため、名称や商品情報などをコード化して利用する。
コード設計のポイントは、コードと名称や商品情報などを1対1で対応させる必要がある。

コード化の目的

  • データの識別
  • データの圧縮
  • データの分類
  • データの暗号化
  • データの信頼性向上


b. コード設計の手順
  1. コード化対象の選定
    コード化は将来にわたって、対象項目の管理を効率的に行うために必要で、標準化や体系化の観点からも検討が必要である。現状調査と分析を通じて、コード化すべき項目の候補をあげ、システム処理上の効率なども加味して、コード化すべき項目を決定する。すでにコード化されているデータ項目についても、機械化処理する上で問題がないかを検討する。

  2. コード化の目的の明確化
    識別、分類、配列、チェックいずれの目的に使用するのかを明確にする。コード化の目的は、コード設計の重要な判断基準になる。

  3. コード化データ量の予測
    コード化対象項目について、現在の項目数の調査とコードの使用期間において増減する数を予測する。現在、必要とする件数ではなく、コードの使用期間、データ件数の成長率などを考慮し、将来の件数を可能な限り精度高く予測する。コードの桁数の設定に関係する。

  4. 利用範囲決定と使用期間推定
    利用範囲は広範囲にわたるのが望ましいが、広範囲になりすぎると調査が膨大になり、決定が困難になる。利用期間も長期にわたるのが望ましいが、長期になりすぎると対象の増減が難しくなる。範囲と期間を限定しすぎると、コード改正の機会が多くなる。コード改正の影響は大きく、それに要する労力も費用も膨大になる。十分に吟味し、拡張性をもったコード体系を確立する。

  5. コード化対象データの特性分析
    コードの使用範囲、付番対象データのばらつき具合、コード変更の周期と頻度、外部組織との関連、マンマシンインタフェースなどを考慮し、最適の付番方式を決定する。コード体系に柔軟性がないと、開発されたシステムのライフサイクルが短くなる。

  6. コードの考案
    コードの種類と特徴を調査し、具体的なコード体系を考案する。コード体系、コードの桁数、コードを付与するための基準、チェックが必要なコード、設計したコードが本来の目的に合致しているかの検討などを行う。

    • 扱いやすさ:コード桁数はできるだけ短く、固定の桁数で英数字で構成
    • 共通性:会社全体で理解しやすいコードにする。また、業種で共通のコードが既に存在しているのであれは、流用も考える。
    • 拡張性:将来の拡張に対応できるよう考慮しておく。
    • 明瞭性:間違えやすい文字の組み合わせを除いておく。Iと1、Oと0など

  7. コード化作業とコード表の作成
    コード設計書でコード体系やコード名、意味、用途、桁数、属性などを定義したら、コード表を作成する。コードの値を設定するとき、追加の可能性を考えて、拡張を考慮した決定をする。

  8. コードファイルの作成
    業務処理に使用するため、コード表の内容を必要な媒体に記録する。各種のコード表を集めて1冊にしたものをコードブックといい、コードの保守用に用いる。また、コード表と合わせて実際の業務に使用する。コードは追加や変更が発生しやすい。拡張性や変更容易性が重要で、そのためにもコードブックの整備が不可欠である。コードブックには、コード体系、コード名、意味、用途、桁数、属性、コード値などの定義した内容を記載する。


c. コードの種類と特徴

順番コード(シーケンスコード)
レコードの発生順などにより、順番に番号を付ける。単純で、けた数が少なく、追加は容易であるが、挿入はできない。JIS の都道府県コード

区分コード(分類コード・ブロックコード)
レコードをいくつかのブロックに分け、ブロック内で順番コードを付ける。少ないけた数でグループ分けができるが、グループ内のレコード数に限りがあるため、追加 や挿入に限界がある。
区の番号、市の番号、町村の番号などの分類方法に用いられている。

けた別コード
コードの各けたに意味をもたせる。大分類、中分類、小分類が可能であるが、けた数が多くなる。

十進コード
10 進数の原則に従って、全体を 10 分割し、更にそれを 10 分割するように、10 分割を繰り返す方法である。図書館の図書分類に用いられている。上位けたから下位けたへ10 進法の規則に従い、コード付けを行う。分類がしやすく、下位のけたへの追加は無限であるが、けた数が多く、個々の桁数がふぞろいになりやすい。図書館の図書分類に用いられている。

表意コード(ニモニックコード)
コードの中に、コード付けの対象となる物の略称を、数字や記号で表して付加する。コードが覚えやすく、対象物が連想できる。

合成コード
コード化する対象物の性質や属性に適したコードを付け、それらを組み合わせてコード付けを行う。製造年月日や入学年度の数字をそのままコードの中に入 れたりする。分類が可能であるが、けた数が多くなる。


  [ 例題 ] 
  1. 平成31年度秋期 問23  コード
  2. 平成22年度春期 問55  コード設計
  3. 平成16年度春期 問51  コード設計
  4. 平成11年度春期 問60  コード設計
  5. 平成10年度春期 問67  コード


     

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