コンピュータシステム - 3.コンピュータ構成要素 - 1.プロセッサ - 9.並列処理

Last Update : April 29 2021 12:42:22

     

a. SISD

Single Instruction/Single Data の略。
1 つの命令で 1 つのデータを扱う処理方式。
シングルプロセッサ(ユニプロセッサ)のコンピュータアーキテクチャで、単一の命令ストリームを実行し、一度に 1 つのデータだけを操作する方式である。いわゆるノイマン型アーキテクチャに対応する。

b. SIMD

Single Instruction/Multiple Data の略
1 つの命令で複数のデータを扱う処理方式。DSP(Digital Signal Processor)やスーパーコンピュータで利用されている。
演算装置において 1 回の命令で複数データに対する処理を同時に行うもの。演算装置設計手法の1つ。 例えば、通常 32 ビットのデータを受け付けるプロセッサなら 128 ビットのデータを 4 回のクロックで計算するが、128 ビットのデータを受け付けるプロセッサは、1 回のクロックで処理が済む。ただ多くの場合、128 ビットを使い切るデータはあまりなく、一般に 128 ビットを 2 分割し 64 ビットとして使うか、4 分割して 32 ビットとして使うが、結局それぞれ 1 回のクロックで 2 倍、4 倍のデータ処理が可能になり、結果として相対的に低いクロックでも高い性能を引き出しやすい。

e. MISD

Multiple Instruction/Single Data の略
多数の機能ユニットが同じデータに対して異なる操作を同時に行う。
パイプライン処理はその一例とされるが、パイプラインの各ステージでデータに操作が加えられているので、厳密にはMISDではないとも言われる。フォールトトレラントコンピュータは、障害を検出して対処するため、複数の機能ユニットが同じ操作を同時に行うが(レプリケーションの一種)、これをMISDの一種とする場合もある。MISDアーキテクチャの実例は滅多になく、MIMDやSIMDの方が一般的な並列処理には適している。特に、MIMDやSIMDはMISDに比べてスケーラビリティが良く、計算リソースを効率的に利用できる。

f. MIMD

Multiple Instruction/Multiple Data の略
複数のプロセッサが複数の異なるデータを並行処理する方式。
独立して機能する複数のプロセッサを持つ。任意の時点で、異なるプロセッサは異なる命令を使って異なるデータを処理している。MIMDアーキテクチャは様々な分野で応用されており、CAD/CAM、シミュレーション、モデリング、通信スイッチなどに使われている。MIMD型マシンは、共有メモリ型と分散メモリ型に分類される。この分類は、MIMD型マシンのプロセッサがどのようにメモリにアクセスするかに着目したものである。共有メモリ型マシンは、単純なバスを使ったものや、階層型のバスを使ったものがある。分散メモリ型マシンは、ハイパーキューブ型やメッシュ型の相互接続ネットワークを使うことが多い。


  [ 例題 ] 
  1. 平成15年度秋期 問19  マルチメディア


     

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